野生のオオカミは生態系に貢献する! « 一般社団法人日本オオカミ協会

野生のオオカミは生態系に貢献する!


英国スコットランドのハイランドでは、日本と同様、絶滅オオカミの再導入に対して、住民による強い反対によって今も実現できていない。日本と違うのは、ハイランドには多くの羊農家があることだ。2007年のBBC NEWS からその実情を紹介する。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/6310211.stm

科学者の研究によると、スコットランドのハイランドに野生のオオカミを再導入することは地域の生態系に貢献するという。

1700年代後半にスコットランドで狩猟により絶滅したオオカミは、アカシカの数を調整する助けになると、英国とノルウェーの研究者グループは言っている。しかし、農民は、オオカミが再導入されれば、多くの家畜が殺されるだろうと言う。 捕食―被食モデルを研究するグループのティム・カールソン(インペリアル・カレッジ・ロンドン)は、「以前から、スコットランドにオオカミを再導入するかどうかの議論が何回か起きている。そして、我々は、数学的なモデル実験で、スコットランドにオオカミを再導入することでアカシカの個体数にどんな影響が起こりえるか見ていこうと考えている」と述べている。研究者たちは、さらに「アカシカの個体数は生態系の収容力目一杯にまで増えており、その駆除費用がどれだけ不経済なものかわかっっている」とも言っている。スコットランドでは野生のオオカミが滅びたので、英国最大の野生動物であるアカシカにはその数を調整できる天敵がいないのだ。カールソン博士は続ける。「たとえば、羊農家の人々は、シカが、羊が草を食べる邪魔をすると心配しているので、シカが少ないことを好んでいる」「特に地域に森林を再生しようとしている保護団体の多くも、またアカシカの数が減らされなければならないと考えている」「森を再生する試みは、多すぎるシカがどんな幼木でもムシャムシャ食べることによって失敗するだろう」「他のグループは、過剰なシカたちが、鳥種(例えばキバシオオライチョウ)に影響を及ぼしていることを心配している」。 彼らの研究によると、オオカミがシカを捕食して、生態のバランスをとるようになると、木々や鳥類の復興につながることがわかった。

家畜に関する懸念 農業

グループは、オオカミの導入は彼らの家畜に打撃を与えるという懸念を表明した、 アンナ・デーヴィス(スコットランドの全国農業組合のスポークスマン)は言う。「オオカミを導入し、野生に放つことは、羊が襲われる重要な問題になる。それが農民に広く受け入れられない理由である。」 カールソン博士は言う。「普通、オオカミは進入してきて群れ全部を連れ去るわけではない。空腹なとき、1頭襲うのだ。」 オオカミを野生に放すことへの人々の態度も調査した。 一般の市民が通常、好意的である一方、農村地帯に住んでいる人々は気難しかった。 「農民がわずかに反対だったが、彼らの損失に関して十分な補償があるなら、かならずしも反対でなかった」と、彼は述べる。 しかし、デーヴィス氏は反対だ。 「農民への支払いの補償だけを単に懸念し、彼らの動物が捕食されることへの福祉の観点がなければ、不当である」「農民が家畜を失うとき、彼らは財政面だけでなく感情的な損失を被る。そのことは口蹄疫の発生の時と同じだ」。 カールソン博士は、どんなオオカミ再導入計画をもってしても、実現には長い道のりだろうと言う。「我々の研究は、スコットランドへのオオカミ再導入に関する理解を得るためのほんの第一歩にすぎない」と付け加えた。
(抄訳:佐々木まり子 2012年5月3日)



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