ポルトガルのオオカミ保護団体「ロボ」が援助を求めています!

ポルトガルのオオカミ保護団体「ロボ」から、日本オオカミ協会にメールをいただきました。ポルトガルでのオオカの状況、その内容をここにご紹介いたします。

 

《はじめに=ポルトガルのオオカミの背景》

ポルトガルにはオオカミが約300頭生息しているそうです。しかし、シカ類はポルトガル人に「捕食」されて殆ど絶滅状態なので、オオカミはかわりに羊を捕食して生き延びてきました。EUの加盟国は、だからといってオオカミの駆除を認めていないどころか、オオカミを保護するために、被害者に補償金を支払うことを決めています。これは政府にとっては馬鹿になら ない財政支出です。そこでポルトガルでは、他国からオオカミの野生餌であるアカシカやノロジカなどの再導入も視野に入れているそうです。

グレー:EUベルン条約で承認オオカミ生息国
黒:2005年のオオカミ生息域

《オオカミ保護団体ロボからのメール》

私たちは、JWAのHPでポルトガルでのオオカミ保護キャンペーンを紹介し、我々の現状を広めていただけることに感謝いたします。

ヨーロッパのほとんどの地域と、スペインイベリア半島の一部のオオカミが復活し、その個体数を増やしていることに反して、ポルトガルのオオカミの個体数は増加しておりません。

最後の個体数調査(1996-97年と2002-03年)によると、約300頭のままであり、若干の群れがわずかな地域で安定しているものの、むしろ個体数の不安定性と、増加することへの高い困難をみせております。

リカバリーセンター(IWRC)は、イベリア半島のオオカミのために、1987年に我々グループロボが作ったプロジェクトの一環です。このプロジェクトでは、荒野で自由に生きることができないオオカミのために、我々の保護下で安全な環境を提供する目的で創立されました。

センターの土地は17ヘクタールで、樹木が茂る閑静な谷です。様々な植物に覆われ、バラエティ豊かな景観を持ち、オオカミを保護する上で良い環境を備えております

我々のプロジェクトは、オオカミのリハビリ施設として、福祉的側面からもしっかり機能しています。ここのオオカミたちは、残る生涯をこのセンターIWRCで過ごします。

オオカミの野生の生息環境をできる限り再現し、自然の中で生きられるようにしています。

各ポイントに設けられた観察塔からは、オオカミの独自の生態が広い視野で観察できるようになっています。

センターでは、オオカミのために可能な限り最高の環境を提供するだけでなく、グループロボが野生のもとで行った調査と関連する、オオカミの社会生態に関する科学的研究も行なっております。これらの研究は広報的キャンペーンの一環で、市民にオオカミの本当の性質を知ってもらうためのものです。

このプロジェクトでは、教育的観点から、学校の児童、個別の団体や一般市民のためにオオカミを観察して学ぶツアーも用意しています。

こうした教育活動は、オオカミ迫害の原因となっている古い神話や観念を払拭し、正しい知識を広め、オオカミを保護していくためには大変重要なものです。今日、センターの存続は危機にさらされています。センターの土地の購入以外、他に道がありません。

この保護基金援助キャンペーンが我々の目標に達しない場合、ゼロから他の方法を探さなければなりません。私たちのキャンペーンのリンクです。

http://www.indiegogo.com/IberianWolf

どんなかたちの援助でも歓迎いたします。我々は皆様のご理解とご支持に大変感謝いたします。

よろしくお願いいたします。

グループロボ

イザベル・アンブロシオ

(2012, 8.16 抄訳: 佐々木まり子)

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