「日米オオカミふぉーらむ2018山梨」大成功! « 一般社団法人日本オオカミ協会

「日米オオカミふぉーらむ2018山梨」大成功!


富士川会場

去る2018年3月3日(土)山梨県富士川町町民会館、翌日4日(日)市川三郷町、三珠総合福祉会館(何れも午後13:30~16:00)での、スティーブ・ブラウンさん(Adventure Yellowstone, Inc)を招いてのフォーラム「イエローストーンの成功例と日本の今後」は久々の甲府盆地でのオオカミ講演会。カムバックウルフ(山梨県支部)主催の海外招聘オオカミ講演会はドイツの自然保護団体「NABU」のベッセルさんによる「日独オオカミシンポ2013」以来、5年ぶり。その後もシカ、イノシシ、ニホンザルなどが揃って増え続け、農地だけでなく周辺の富士山、秩父、南アルプス、八ヶ岳などの山地の自然生態系まで、どこでも激害が発生し、侵入防止柵と狩猟駆除、ジビエでは完全にお手上げ。10㎞ほどしか離れていない両会場に、初日55人、二日目85人、延べ140人の参加者を集めました。地域住民の多くの方々は第三の対策を待ち焦がれておいだったのでしょう。

何と言っても嬉しかったのは、地元選出の中谷真一衆議院議員(自民)、清水喜美男県議、金丸一元南アルプス市長、斎藤諭南アルプス市議の参加があったことです。オオカミ復活に政治家が理解を示し、実現に向けて努力していただかなくては、活動は前進しません。オオカミ復活は国民合意をベースにした国政の問題なのです。

参加者集めは広報が決め手です。今回は、HP、FBはもとより、地元役員の赤池幸久さんが中心になっての、こまめな口コミ活動に加えて、チラシを12000枚、大部分を新聞挟み込みとしたことが大きく功を奏したようです。チラシの新聞挟み込みは地域住民の関心を集める費用対効果が大変大きいし、チラシ配布の人手も省けるので、今後の講演会、シンポ、フォーラムなどイベント開催に大いに活用したいものです。比較的若い参加者にはHPとFBの効果があったようです。もちろん、地元の新聞、放送局の理解が得られて報道されたことももちろん大切でした。こうした総合的な広報活動は、フォーラムなどオオカミ集会開催にとって極めて大きな部分です。

3日の地元に関する基調講演は、カムバックウルフ山梨支部長の山野井英俊氏が農作物や森林だけでなく自然生態系を破壊し続ける南アルプスと富士川流域の獣害問題を、4日は同支部の小野俊彦氏がシカと人で一杯の富士山の自然の荒廃について報告しました。住民の地域の自然に関する情報は意外に少ないのです。しかし、最近は、侵入防止柵や狩猟・駆除では獣害防止に限界があることは理解されているようです。もっと地域の悲観的な獣害状況について知ってもらうことがオオカミ復活への理解につながることでしょう。希望はもちろんオオカミの復活です。

スティーブ・ブラウン氏のイエローストーンでのオオカミ虐待と保護に関する講演は、これまでオオカミを悪獣視する風評を吹き飛ばすのに効果的でした。オオカミ抹殺後、エルクジカやバイスンの増え過ぎで荒廃していた自然生態系はオオカミの再導入によって回復し始め、植生は復活し、姿を消していた生物たちが再び姿を現し、シカは減り続けて、見事に再生し続けていることが報告されました。また、オオカミによる咬傷事件は、北米では過去117年間で僅か27件(1年あたり0.23件)、そのうちの大部分は狂犬病と観光業者による餌づけが原因だということも知らされました。誤ったオオカミへの接し方をしなければ、オオカミが人を咬むことはないのです。これを聞いた人たちは「赤頭巾ちゃん」の呪縛から解き放されたと思いきや、直後の意見交換の部では「オオカミが人里に出てきて人を咬まないか」とか「オオカミが人を咬まないなど簡単には信じられない」といった意見が繰り返されたのには呆れました(スティーブ・ブラウンさんの話の直後だというのに…。まるで頭に残っていない)。小野さんから、日本ではオオカミは臆病者で人を恐れていたと説明されても半信半疑。赤頭巾ちゃんの刷り込みがこんなに強力だったとは驚きです。

ブラウンさんのような外部講師も嬉しいですが、今回もそうですが、支部役員の方々が地域住民に語り掛けるフォーラムは親しみを持って受け止められるので、地域での草の根活動としてもっと盛んになるとよいですね。山梨県支部「カムバックウルフ山梨」の仲間の役員各位の奮闘に拍手です。この調子で地域に根差した活動を展開し、入会者を増やしましょう。

(JWAカムバックウルフ支部長 山野井英俊)



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