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声明:森林など自然生態系地域でのメガソーラー建設に反対!

2018 年 6 月 1 日 金曜日

一社)日本オオカミ協会第8回総会(2018年5月19日)

メガソーラー

【声明:森林など自然生態系地域でのメガソーラー建設に反対!】

 私たち一般社団法人日本オオカミ協会は、大面積にわたって森林を伐採して建設されるメガソーラー建設に反対します。森林地帯でのメガソーラーの建設は、森林の価値を大きく損ない、景観破壊(観光価値破壊)、森林植生の消滅、森林土壌の流失、微生物など土壌動物の死滅、昆虫類、両棲類、爬虫類、鳥類、哺乳類などの野生生物の生息環境破壊、そしてオオカミ復活のための環境条件の破壊など、広範囲の破壊をもたらします。大面積の裸地を作り出すメガソーラーは、植生による気温調節機能を森林から奪う結果、地域の気温の極端な上昇と低温化をもたらします。また、流出土砂は河川を埋めたり、浸食したりして、沿岸に流れ出し、埋土や水質汚濁により沿岸生態系に甚大な破壊的影響を及ぼします。メガソーラーは現在全国で100か所以上の建設が進められようとしています。その規模は、一か所で数十~数百ヘクタールに及びます。森林生態系は、歴史的に、農林業、薪炭林利用、観光開発など様々な開発によって破壊され続けてきました。メガソーラー建設による、これ以上の森林破壊は最早認められません。日本のかけがえのない国土を守るためにも、オオカミ復活のためにも、メガソーラーの森林地帯での建設は認めるべきではなく、その規制に関する法的環境の整備を緊急に進めるべきです。

[背景:メガソーラーによる環境破壊]

 核廃棄物の無害化技術が存在しないかぎり、原発などの原子力エネルギーは利用すべきではありません。だからといって、従来の地球温暖化により、化石エネルギーに戻ることはできません。そこで、脱原発、脱化石燃料を目指して、再生エネルギーが注目され、風力、太陽光、地熱、バイオマスといろいろと模索されています。だが、再生エネルギーならどれでもよいというわけではありません。
 ひところソーラーを抑えて花形と目された風力(風車)発電は、バードストライクや景観破壊、超低周波音などの騒音障害などの環境問題によって、立地の選択が難しく、一定規模を超える風車は、都市や村落をはじめとした人の居住地域での建設は適当でないことがわかっています。
 代わって太陽光発電が注目され、現在、急速に普及しつつあります。だが、これも環境破壊が問題になっています。家庭等での自家消費を主目的とする小規模な分散型設備とは異なり、メガソーラー(1千キロワット以上の出力がある大規模な太陽光発電所)など、その面積規模が大きければ大きいほど、環境への負荷は大きくなり深刻となります。メガソーラーによる環境破壊とは、植生の消滅、景観破壊、気温上昇(駐車場並み)、裸地化による不栄養土壌や土砂の流出、微生物など土壌動物の死滅、野生生物のハビタット(生息環境)破壊、昆虫類、両棲類、爬虫類、鳥類、哺乳類などの野生生物の絶滅・減少などです。このように森林の働きを害し、その資源的価値を大きく損ないます。さらに、これからの問題としては、有害物質を含む発電パネルなど廃棄物処理による環境汚染が心配されています。メガソーラーのこうした環境問題の中でも、森林の大面積伐採はオオカミの復活にとっても問題です。これは、オオカミの生存に必要なハビタットを破壊し、自然生態系破壊や生物多様性低下をもたらすことが避けられないからです。これは、増えすぎシカによる生態系破壊と同様かそれ以上です。植生破壊はシカの生息密度と比例的ですが、シカがいなければよいというわけではありません。シカは、捕食者であるオオカミとともに食物連鎖の担い手として生態系の構成者として不可欠な存在であるからです。しかも、適正な低い生息密度であれば生物多様性を高め、その維持に貢献します。しかし、メガソーラーは生態系にとってはあくまで異物に過ぎません。メガソーラーの存在は生態系に対しても生物多様性に対しても貢献は期待できないのです。こうしたことから、メガソーラー建設は、森林地帯をはじめとした自然地域では認められません。
 これらの様々な問題から、メガソーラー発電所の建設は各地で厳しい反対運動を引き起こしています。こうして、現在、野放し状態にあるメガソーラーの建設を規制する法的整備が求められています。基本的には、国土保全の観点から、メガソーラーは山林原野など山地での建設は禁止されるべきであると考えられます。

[メガソーラーではなく、水力発電を見直す]

 風力、メガソーラーだけでなく、自然再生エネルギー源として水力を再評価すべきだという指摘があります(竹村公太郎著「水力発電が日本を救う」東洋経済2016)。日本には幸いなことに全国にダムが建設されています。戦後電源開発の花形だったダムも、水没、局地的地震発生などの公害が危惧され、先祖伝来の耕作地を失い、住み慣れた居住地を追われた住民による地域ぐるみの激しい反対運動がいつまでも記憶に残っています。だが、一旦出来上がったダムは壊れることもなく、今でも各地で健在です。それらは、発電能力を含めて、半永久的に利用可能であると考えられています。さらに水力発電量アップができるのはもちろん歓迎なわけですが、これは可能だと考えられています。すなわち、新ダムを造る必要はなく、既存ダムの貯水量を上げる嵩上げ、そして多目的ダムの利水強化に向けての運用方法の変更、砂防ダムや多目的ダムへの発電機設置などが有望だと言われています。さらには、農業用水や汚水処理場の排水路への小型発電機設置による中小規模発電も考えられています。私たちの先人が、公益への貢献のため、先祖伝来の家と田畑を犠牲にし、自然環境も犠牲にして建設に協力して現代に引き継がれた膨大なエネルギー遺産を、現代人が無駄にすることは許されないのではないか、と竹村氏は指摘しておいでです。
 これに加えて、海洋の潮汐や海流を利用する潮力発電も水力利用の一つです。潮の満ち干の持っているエネルギーに着目するならば、全国各地の湾や入り江もダム機能を持っているわけです。瀬戸内海はその最大のものでしょう。日本列島周辺には黒潮や親潮など巨大なエネルギーを持った海流が勢いよく流れています。これらも利用可能になれば、さらに巨大な電力が入手可能と考えられるのです。

[水力発電の持続的利用とオオカミ復活]

 水力エネルギーの利用にとって、ダム湖や水路の堆砂が問題となります。ダムや水路への堆砂が進めば、その分だけ貯水量が減ってしまいます。土砂流出は、通常、天然林と比べて荒廃人工林で大きいことが知られています。現在、全国の森林面積に占める人工林の割合は41%、しかも手入れがされていない放置林が多く、人工林は荒廃が進むばかりです。そこで、人工林の手入れや収穫期にある人工林伐採の促進、人工林の針広混交林化、あるいは天然林化が求められていますが、伐採や改植すれば、シカの餌植物の増加をもたらし、その分、シカの食害を被り、林地の裸地化はさらに進みます。こうした、最近のシカの増え過ぎは、里山から奥山に及び、全国的に森林の裸地化が進んでいます。これは、もちろん、土砂流出量を増加させ、水力エネルギー源に悪い影響をもたらすことは説明を要しません。
 現状ではこのようなシカの増え過ぎをコントロールするためには狩猟者が欠かせないのですが、高齢化と狩猟離れによって狩猟者の下げ止まりは見えず、必要なハンターの確保は見通しが立っていません。これに加えて、予測されている長期的な人口減少で、さらに狩猟者のリクルートは難しくなるので、いつまでも狩猟に頼り続けることはできません。実際のところ、今でも狩猟者によるシカのコントロールには成果が出ていないのです。やはり、自然調節を重視すべきなのです。自然調節の有力な担い手は、オオカミしかありません。明治時代に絶滅したオオカミの復活はどうしても欠かせません。日本の森の守り手はオオカミです。脱化石エネルギー、そして脱原発の切り札の一つとして水力の活用にとっても森の守り手であるオオカミの再導入は欠かせません。私たちは森なしでは生きられないのです。私たちの生存に欠かせないエネルギーを得るためには、これ以上森を傷つけてはいけないのです。   
                                   (以上)

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衆議院選挙立候補者アンケート結果

2017 年 10 月 19 日 木曜日

衆議院選挙投票に向けて!
初めてのヴォーターズガイド「衆議院選挙立候補者アンケート結果」

 10月19日7:00までの回答結果をお知らせします。立候補者数約1,180名のうち、JWA会員に調査していただき、発送リストに収録できた候補者267名にクロネコDM便で質問書を送付しました。回答いただいたのは34名(回答率12.7%)と低調な結果になりました。これは、今回の衆議院解散が突然で必要な準備期間が取れなかったことと、初めての試みで不慣れであったことが大きかったこともありますが、立候補者の関心が自然保護や野生生物など環境問題に向いていないことが最大の原因なのではないかと考えられます。さらに突っ込んで考えますと、環境問題が国民の政治への期待の中に大きな位置を占めていないという問題が根本的にあるように考えられます。野生動物や自然・環境の保護運動を進めている関係団体や関係者の皆様が、政治、議員への働きかけを日頃から積極的に進めていただくことをお願いします。

 今回のヴォーダーズガイド調査は、低調な結果ではありましたが、「オオカミ復活に反対」は一つもありませんでした。「今のところ判断できない」が大多数の32件で、嬉しかったのは「オオカミ復活を政策として取り上げるべき」が2名の候補者、小林弘幸氏(立憲民主、山梨2区)、佐々木克己氏(社民、神奈川15区)からご回答頂いたことです。お二人のご当選にむけてご支援を。
 
 反対回答がなかったこと、そして、判断保留回答には「趣旨は理解できますが、海外から移入した場合、どのような影響があるかよく検討する必要があるか考えます。農業関係者や自治体、環境団体、動物愛護団体など幅広い関係者との検討があってこそ、取り組みが広がるものと考えます」(共産党候補の皆さんの文面は同じ)との付記を拝見する限り様子見段階の候補者が多いことが判ります。この状況は、「全国オオカミアンケート調査」の結果と比べると、現在の候補者全体を見ると、その理解は、一般の国民の1990年代の理解段階(1993年:賛成12.5%、反対44.8%、わからない42.7%)であることがわかります。ロビー活動はこれからです。

 今回のアンケート送付率は全候補者の22%に過ぎませんでしたので、オオカミ支持候補はさらにおいでなのはもちろんです。今回の試みからわかったこと、今後、国会議員の賛同を得るために、ロビー活動に大きなエネルギーを使うことの必要性を示しています。普段からの準備と活動が欠かせません。

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第8回全国オオカミアンケート調査2016報告

2017 年 9 月 30 日 土曜日

「賛成」は 5.1 ポイント増加し45.5%
【1】この報告書は、一社)日本オオカミ協会による第8回全国オオカミアンケート調査(2016年1月1日から12月31日の間に収集)の結果である。アンケート集めは、日本オオカミ協会会員560人(全国13支部)に依頼するとともに、会員以外の多くの協力者にもお願いした。アンケート回答者は、特に定めず、現場収集者に任せた。ただし、回答者は、調査関係者とは無縁な不特定多数を対象とすることを原則とした。調査場所は、道路、公共広場、公園、登山道、ハイキング道、トレッキング道などの公共の場及びこれに準じる場所で行った。講演会や教室でも行ったが、講話の影響を避けるために、アンケートの記入は講話の前に行うこととした。本調査は、乏しい資金のもとで実施せざるを得なかったために、系統抽出手法を採用できず、「行き当たり的・場当たり的」に可能な限り多数の回答を集めることにした。調査手法によるバイアスを極力小さく抑えるために目標数は1万以上とした。

回答者数は 11,586 人であった。この調査では系統抽出手法を採らなかったため、地方別回答者数には大きな差が出てしまった。最多が関東 49.7%(5,759)、それに中部 20.5%(2,374)、四国 14.2%(1,642)と続いた。近畿 6.0%(695)、北海道 3.3%(381)、九州 2.6%(299)、中国と東北各 1.4%(157;158)。したがって、地方間の比較は行わなかった。都市 54.9%、農山漁村 28.6%、その他と無回答 16.5%。回答者の年齢分布は 10 代後半(4.9%)から 70 代以上まで(各10~21%)。性別は、女性45.6%、男性53.9%、無回答0.3%。

【2】「オオカミ復活必要」は前回と比べて 5.1 ポイント増加して 45.5%、「不要」は 2.9 ポイント減少して僅かに11.0%、「わからない」は 2.4 ポイント減少して 43.3%であった。このアンケート調査を始めた 1993 年以降、オオカミの復活に賛成する者は、J 字あるいはやや S 字曲線を描いて着実に増加している。「不要」の減少は直線状である。「わからない」は緩い山なりを描き、2002 年までやや増加、2009 年まで横ばい、以後緩やかに減少している(図1)。

図1.オオカミ復活賛否の変動

【図1】オオカミ復活賛否の変動



【3】「二ホンオオカミもエゾオオカミもハイイロオオカミと同種であることを知っているか」 「知っていた」は僅かに13.5%に過ぎず、「知らなかった」が 86.1%と大多数であった。これを性別にみると、「知っていた」のは男性 9.6%、女性 5.9%となった。男女とも、大多数は「別種」あるいは「わからない」と答えていた。この認知度の低さは、外来種排斥観とつながって、オオカミ復活賛成数を押し下げていることが考えられる。正しい知識が普及すれば、復活賛成意見は大きくアップすることが考えられる。

【4】「オオカミ復活賛否」を性別にみると、男性 46.6%に対して女性 44.3%で、女性の方が 2.3 ポイント低かった。しかし、「不要」は男性 13.9%に対して女性 7.6%で、女性の方が 6.3 ポイント低かった。「わからない」は女性 47.9%に対して男性 39.4%で、女性の方が 8.5 ポイント高かった。年齢階別には、前回(2012/2013 年)と同様に、今回もまた「必要」は 10 代と 60 代以上で高く、30 代、40 代の壮年層で低かった(図2)。

図2.オオカミ復活の賛否:年齢階別分布

【図2】オオカミ復活の賛否:年齢階別分布(数値は四捨五入)



これは、多忙で厳しい就労・子育て条件に災いされて、周囲の社会的環境に目を配るゆとりを持ちにくい壮年層の厳しい現状を反映しているように考えられる。女性の場合は男性よりもさらに子育てや性差別による厳しい社会的条件に影響されて社会的関心が男性よりもやや低いのかもしれない。オオカミ復活だけでなく環境保全への関心を高める上でも、壮年世代から社会的関心と活力を奪っている格差社会の改善が必要である。

【5】「オオカミ復活必要(5273 人)」に関する理由のうち最も多かったのは、「オオカミは生態系・生物多様性にとって必要」68.7%であった。次は、「獣害対策にとって狩猟だけでは不十分」44.4%、そして「絶滅した種の復活は人間の責務」40.1%と続いた。「オオカミは好きな動物だから」という感情的な理由は 13.5%と僅かであった(図3)。

図3.オオカミ復活賛成の理由(n=5273)

【図3】オオカミ復活賛成の理由(n=5273)



この結果には、主にエコ及び倫理思想の影響が出ているように考えられる。「獣害対策」には、益害論的な価値観も影響しているかもしれない。感情的な回答が低かったのは、エコ思想と獣害情報が普及した結果かもしれない。

【6】「オオカミ不要(1277 人)」の理由で比較的高かったのは、前回同様「オオカミは人を襲う」38.9%と「家畜・ペットを襲う」34.0%であり、次は、「日本はオオカミにとって狭すぎる」「現在のままで自然は安定している」がほぼ同じで各 20.7%、20.4%であった。他の理由は低くなるが、「生態系に悪い影響を及ぼすから」15.9%、「関心がない」13.9%、「害獣対策は狩猟でよい」11.5%と続いた(図4)。

図4.オオカミ不要の理由(n=1277)

【図4】オオカミ不要の理由(n=1277)



これは、オオカミの生態、行動などの真実の姿が理解されていないからであろう。オオカミ迫害の歴史の中で醸成されたオオカミ嫌悪感が根強いことが感じられる。また、ニホンオオカミが日本の固有種ではなく、ハイイロオオカミと同種であるという最新の科学的情報が理解されていないこともある。ジビエ(野生獣肉料理)普及による狩猟振興の支持者は2.9%に過ぎず、行政による鳴り物入りの宣伝にかかわらず、国民の大多数はジビエに期待していないことがわかる。

【7】カワウソについては、これといった害性が知られていないにもかかわらず、オオカミよりも復活支持率が低く(37.4%)、「わからない」54.9%、「不要」6.3%と否定的で無理解な回答が多数を占めた。これは未知なものに対する恐れとともに、復活運動が存在しないことが影響しているのかもしれない。いずれにせよ、野生哺乳類をはじめとした野生生物とその保護に関する国民の好奇心、関心の低さを示しているのかもしれない。カワウソは河川湖沼といった水界生態系の頂点捕食者である。強力なカワウソ復活運動が必要であり、世論喚起が必要である。

【8】日本オオカミ協会を「知っていた」のは 19.1% で、前回(2012/2013 年)の 16.0% と比べて 3.1 ポイント増となった。これを性別で見ると、男性 24.5% は女性 12.7%に比べて 11.8 ポイント高かった。都市と農山漁村での認知度はほぼ同じであった。

【謝辞】今回アンケートにあたり快く回答していただいた全国各地にお住いの皆様に改めて厚く御礼申し上げます。また、アンケート集めにご協力いただいた一般の皆様、ボランティアはじめ会員、役員の皆様に感謝いたします。

【調査グループ】総括:丸山直樹、集票:井上守、集計:田中清司、PC入力:秋葉哲雄、斉藤恭子、白木登、大槻国彦、辻奈那子、後藤亘、田島美和、手戸博信、澤川隆、林貴士、平田元宏、井上千代子(順不同)、編集:知念さくら

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鹿の食害を考える ドイツに見るオオカミとの共生

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(動物や自然を守ろう にて)

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