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高知県後援決定!日米オオカミふぉーらむ2017in高知

2017 年 9 月 15 日 金曜日

日米オオカミふぉーらむin高知
シカやイノシシによる被害がとまりません!

高知県ではシカだけで年間2万頭を駆除し、張り巡らせた侵入防止フェンスも4,000kmを超えている、にもかかわらずです。 (ちなみに北海道から沖縄までの距離は3,000km) 何故でしょうか?

 かつて懸賞金を付けてオオカミを駆除した日本。同じように、アメリカ・イエローストーンでもオオカミを“害獣” として駆除しました。ところがシカの増加による自然の荒廃が進み、悩み、ついに22年前オオカミの再導入に踏み切りました。オオカミの再導入で自然(生態系)の復活を進めるアメリカ・イエローストーン。シカの駆除に懸賞金を付けたり、防護フェンスを提供したりして湯水のごとく税金をつぎ込み続ける日本。アメリカ・イエローストーン22年の経験に学び、日本の今後を考えます。

高知県後援決定!
日米オオカミふぉーらむ2017
~日本の自然の回復と保護を目指して~
「ちゃんと知りたいオオカミのこと。もっと考えようオオカミのこと。」

【日時】10月25日(水)18:00〜21:00
【会場】高知市立自由民権記念館ホール
    高知市桟橋通4丁目12−3
【定員】130名
【主催】一般社団法人日本オオカミ協会四国支部
【後援】高知県、高知新聞社、朝日新聞高知総局、毎日新聞高知支局、RKC高知放送、KUTVテレビ高知、KSSさんさんテレビ

【お問い合わせ】四国支部 TEL:090‐4979‐0652 松林まで

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<講演と意見交換>
オオカミの再導入で自然はどう変わったか。人との関係は…。
~アメリカ・イエローストーンからの報告~
講演者/スティーブ ブラウン
(Adventure Yellowstone,Inc 代表)

オオカミの駆除後、日本の自然はどう変わったか、そしてこれから。
~シカ、イノシシの被害の現状と、これからへの提言~
講演者/丸山 直樹
(一般社団法人日本オオカミ協会 会長、東京農工大学 名誉教授)

<パネリスト〉
スティーブ・ブラウン 氏
イエローストーン国立公園公認ガイドで自然生態系講師歴20年以上。
 マイアミ大学の生物学・生態学・哲学科を卒業。交換留学生として来日その後、オハイオ州立大学院で日本語、日本文学修士課程を修める。モンタナ州立大学院では動物学科等の修士課程を卒業。モンタナ州立大学では約7年間イエローストーン生態学や日本史を教える。
 イエローストーンを中心にアラスカからカリフォルニアまで多数の国立公園で自然教育プログラムを手がけ、会社設立以降21年間4万人以上の日本人観光客、学生を教育してきた実績を持つ。日本だけでなく世界中の人々に野生動物生態や大自然保護管理について教えている。日本オオカミ協会学術会員。

丸山 直樹 氏
 1943年新潟県生まれ。東京農工大学名誉教授、農学博士
(北海道大学)

 1966年東京農工大学農学部卒業後、新潟県林業試験場勤務をへて、68年、東京農工大学自然保護学講座の助手。以来一貫して野生動物保護の研究に従事。87年助教授、97年教授。専門は自然保護文化論、野生動物保護学。
 シカの生態・保護・管理を研究するうちに、頂点捕食者オオカミの重要性に思い至り、93年、日本オオカミ協会を設立し、会長に就任。以来、オオカミ再導入のために、各地を奔走する。
主要著書/「地球は誰のもの?」「オオカミを放つ~森・動物・人の良い関係を求めて~」「オオカミが日本を救う!~生態系での役割と復活の必要性

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日・米オオカミふぉーらむ 2017

2017 年 9 月 12 日 火曜日

日・米オオカミふぉーらむ2017
エコロジスト、スティーブ・ブラウン氏が語る帰ってきたオオカミ!
増え過ぎたシカを減らし生態系の回復を実現した北米イエローストーンの成功物語


鹿によって公園内の殆どの植物が食べつくされ荒れ果てたイエローストーン国立公園。
鹿の生息数をコントロールしようと試みますが効果はなく増え続けます。そこにオオカミが戻ってからは植物たちが息を吹き返し、鳥が生息し始め、やがてビーバーも住みだし生態系が回復しました。
そのイエローストーン国立公園公認ガイドのスティーブ・ブラウン氏が語ります。

スティーブ・ブラウン氏は日本語が堪能で講演会も日本語で語ります。
もちろん質疑応答も日本語です。

2017/10/21(土)~ 11/12(日)
福岡・熊本・岡山・高知・滋賀静岡・長野・埼玉・東京
参加費無料(岡山を除く)

参加申込みはこちらから▷▷▷参加申込みフォーム

<スティーブ・ ブラウン氏 プロフィール>
スティーブ・ ブラウンイエローストーン国立公園公認ガイド【自然生態系講師歴 20 年以上】マイアミ大学の生物学・生態学・哲学科を卒業 交換留学生として日本へ。その後、オハイオ州立大学院で日本語、日本文学修士課程を修め、モンタナ州立大学では動物学科等の修士課程を卒業。モンタナ州立大学で約 7 年間イエローストーン生態学や日本史を教える。イエローストーンを中心にアラスカからカリフォルニアまで多数の国立公園で自然教育プログラムを手がけ、会社設立以降 21 年間 4 万人以上の日本人観光客、学生を教育してきた実績を持つ。日本だけでなく世界中の人々に野生動物生態や大自然保護管理について教えている。一般社団法人 日本オオカミ協会学術会員(Fellow)

<イエローストーンの成功例と日本の今後>
かつてオオカミを害獣として駆除したアメリカと日本。その後どちらもシカの増加など生態系に歪みが生じ自然の荒廃が進みました。22 年前アメリカはついにオオカミの再導入に踏み切り、イエローストーンの自然生態系は豊かさを取り戻し始めました。対して日本は、シカの駆除に懸賞金を付けたり、防護フェンスを提供したりして湯水のごとく税金をつぎ込み続けています。ジビエも最終的な解決策ではありません。アメリカ・イエローストーン 22 年の経験に学び、日本の生態系保全の今後を考えましょう。

※日本で絶滅したオオカミは、イエローストーンや北米、ユーラシア など北半球に広く生息するハイイロオオカミと同じ種です。だから再導入するオオカミは外来種ではありません。

〔福岡〕10 月 21 日(土)13:30 ~ 15:30
オークホール(そえだ公民館)
福岡県田川郡添田町庄 952 Tel.0947-82-2559 (駐車場なし)
『オオカミは森を守り、アカザを守る︕』
武貞誉裕(アカザを守る会)090-2965-8081

〔熊本〕10 月 22 日(日)13:30 ~ 16:00
熊本県立大学講義棟 1 号館 1 号教室
熊本県熊本市東区月出 3 丁目 1-100 Tel.096-383-2929
『肥の国の風土を守る︓オオカミを呼び戻せ︕』
小邦 徹(JWA 九州) 080-1784-2513

〔岡山〕10 月 23 日(月)18:30 ~ 21:30
岡山ガーデン(旧両備ガーデン)
岡山県岡山市東区寺山 147-1 Tel.086-297-2182
『オオカミは日本を救う PartII: 日米野生動物対談』
佐藤朋子(マグメル)080-5455-8740
参加費 2,500 円(軽食ドリンク付き)

〔高知〕10 月 25 日(水)18:00 ~ 21:00
高知市立自由民権記念館
高知県高知市桟橋通 4 丁目 14-3 Tel.088-831-3336
『日米オオカミふぉーらむ 2017』
松林直行(JWA 四国)090-4979-0652

〔滋賀〕10 月 26 日(木)17:00 ~ 19:00
西浅井まちづくりセンター
滋賀県長浜市西浅井町大浦 2590 Tel.0749-89-1125
『オオカミは琵琶湖の守り手︓シカから森と山を守る』
寺井久慈(JWA 東海)090-3442-1121

〔静岡〕10 月 28 日(土)13:30 ~ 17:00
Via701(ヴィアななまるいち)ホール 701
静岡県三島市本町 7-30 Tel.055-976-0038 (駐車場なし)
『オオカミが守る世界遺産富士山』
仁杉秀夫(JWA 静岡)090-4216-8417

〔長野〕10 月 29 日(日)13:30 ~ 16:30
上小森林センター
長野県上田市富士山 2464-226 Tel.0268-39-8522
『ジビエ頼みで大丈夫か︖ オオカミ不在の信州』
林 貴士(JWA 長野)090-3240-9991

〔埼玉〕11 月 11 日(土)15:00 ~ 17:00
駿河台大学大講義室
埼玉県飯能市阿須 698 Tel.042-972-1111
『21 世紀オオカミ信仰は︖︓エコウルフ』
岩堀弘明(JWA 埼玉)090-4069-8787

〔東京〕11 月 12 日(日)13:30 ~ 17:00
中央区立環境情報センター
東京都中央区京橋 3-1-1 東京スクエアガーデン 6F Tel.03-6262-0980
『オオカミ復活と 21 世紀エコシティー』
鈴木敞治(JWA 東京)090-1103-2949

※ 開場は、各会場とも 30 分前です。
※ お問合わせは、各会場担当までお願いいたします。

参加申込みまたは問合せはこちらから▷▷▷参加申込みフォーム

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オオカミ生態情報: ハイイロオオカミのパック(家族群)の構成頭数とパックテリトリーの面積

2017 年 3 月 26 日 日曜日

 
 日本で絶滅したままになっているハイイロオオカミ(Canis lupus:略称オオカミ)の復活を考えるにあたって、そのパック(家族群)の構成頭数とパックテリトリーの面積は大切です。日本にオオカミを再導入したら、どこに何頭のオオカミが生息できるのだろうかという疑問は誰もが知りたいところです。

 最近の某大学教授のオオカミ講演で、現在の日本のシカの激増を抑えるのには26,000頭が必要とのこと。幸いに日本の森林にはこれらの多数のオオカミがギリギリ生息可能であるとのこと。これには仰天してしましました。こんなことだから、「300万頭以上もいる鹿をオオカミで減らそうとしたら、いったい何万頭のオオカミが必要になるかを想像してほしい。数万頭のオオカミが日本の山野を駆け巡る光景なんか、絶対に見たくない」(山田健 2015)*といった間違った思い込みの愚論になるのです。ところで問題の教授が計算根拠としたパックテリトリーの面積は50~100㎢、パックの構成頭数は10頭なのですが、どこからこんな数値が出てきたのでしょう。これは適正とはいえない数値です。ですから、この推定を真に受けることはできません。この教授のオオカミ情報は十分ではないのです。オオカミのパック構成頭数とパックテリトリーについて専門家の間で妥当と考えられている数値に基づけば、日本列島におけるオオカミの生息頭数は5,000~10,000頭となることがわかります。2016年時点のシカの推定生息頭数約400万頭、ほぼ同数のイノシシの頭数と比べたら、本当にわずかな数値です。野山でオオカミを目にしたり出会ったりするのは滅多にないことでしょう。それでなくともオオカミは、オオカミは臆病で人を恐れ、人を避けているので、滅多に人目に触れることはありません。ありそうもない過大な推定値で、何も知らない人たちをやたらに怖がらせないでほしいものです。
日本でオオカミの復活に関する合意を得るためには、正しい情報に基づいた判断が必要です。

《オオカミのパックの構成頭数》

 オオカミは、オスとメス、それぞれ1頭でつがい(ペア、pair)を作ります。そして冬の間に交尾し、春に出産します。オオカミのその年生まれの子供はパプ(pup)と呼ばれます。一度に1頭のメスが生むパプは最多で8頭、通常は4,5頭です。この一腹産仔数は栄養状態(獲物の頭数)に影響されます。パプは初めての冬を越す間に半数くらいが死亡するのが普通です。3歳を過ぎると子供たちは親のパックを離れ、自分のテリトリーと連れ合いを探す旅(ディスパーザル)に出ます。ディスパーザルの距離は通常は数百キロメートル、長いものになると半年で1,500㎞以上にもなります。
 パックの構成頭数は、餌となる動物の体の大きさやその生息密度によって変化します。普通は、エルクやアカシカ、バイソンのような大きな獲物を追っているパックほど大きいのが普通です。反対に、ミュールジカや二ホンジカのようなあまり大きくない、小型のシカ類を追うパックの構成頭数は小さくなる傾向があります。
 トナカイ、ドールシープ、ヘラジカを追うアラスカのデナリのオオカミの秋(1986-1993)のパックの平均構成頭数は、4.3-13.3頭(2.0-14.3頭)でした(Mech et al. 1998)。
 冬季エルクを主に狩っているイエローストーン国立公園のオオカミでは、パック構成頭数は2頭から11頭と記録されています(Yellowstone Resources and Issues Handbook 2014)。同じくイエローストーンの中のマジソン源流域のエルクとバイソンを追う群れは、1996年から2006年の調査では、年によって群れの大きさは大きく変動しますが、最小が5頭、最大22頭と報告されています(Smith et al. 2009)。
 一方、比較的小型のオジロジカを追っている五大湖西岸地方、ミシガン州のオオカミのパック構成頭数は3.0-4.6頭(1999~2006)(Beyer Jr. et al. 2009)、ウィスコンシン州の1980年から2007年の記録では、平均で2.8-5.2頭、最大は12頭となっています(Wydeven et al. 2009)。パック構成頭数は、イエローストーンのオオカミと比べてはるかに小さいことがわかります。

《オオカミのパックテリトリーの面積》

 オオカミのパックは広大なテリトリーを形成します。十分な獲物と好適な繁殖の場を確保するためです。そのため、吠え声や排尿によるマーキング、攻撃行動によって、自分たちの群れのテリトリーに仲間以外のオオカミが侵入するのを許しません。侵入者は徹底的に攻撃され、命を落とすことも珍しくありません。このため、オオカミの死亡の第一がオオカミ間の争いが原因であることが報告されています(Smith et al. 2009)。このようにテリトリーは厳格にキープされるので、オオカミたちは戦いによるリスクを避けるために、パックテリトリーが重ならないように、それらの間隔を開ける傾向があります。このテリトリーの間の空いた地域はバッファーエリア(緩衝地帯)と呼ばれ、地域面積の20-40%を占めることが今では一般的に知られています。しかし、地域によっては必ずしもテリトリーが重ならないというわけではなく、イエローストーンのマジソン源流部では、冬季、テリトリーの重複がかなり見られます(Smith et al. 2009)。また、分散個体などによる形成過程のテリトリーは隣接テリトリーとしばしば重複することが知られています。オオカミたちはパックテリトリーの中で狩りをして食料を得なければなりませんので、その中にいる獲物の生息数や大きさでテリトリー面積が影響されます(もちろん、これだけではありませんが)。獲物が少ない場合には、テリトリーの面積は大きくなり、反対に獲物が多い場合にはテリトリー面積は小さくなります。しかし、それが限りなく小さくなるというわけではなく、下限があることが知られています。小さくなりすぎると隣同士のパックのオオカミが出会うことが多くなり、争いのリスクが増すのである程度の面積をキープすることが必要だからだろうと考えられています。
 イエローストーンのマジソン源流部での5パックの冬季のテリトリー面積は平均246㎢、最小107㎢、最大382㎢と記録されています(Smith et al. 2009)。一方、五大湖西岸地方のウイスコンシン州では、平均180㎢(±85SD)(1981-1990)、165㎢(±94SD)(1991-2000)、136㎢(±67SD)(2001-2006)となっていて、年とともに減少傾向があるようです(Wydeven et al. 2009)。これはオオカミが増えるにつれて生息密度が高くなるからだろうと考えられています。
 トナカイ(成オス160 – 180 kg、成メス 80 – 120 kg)、ヘラジカ(成オス 380 – 700 kg 成メス 200 – 360 kg)、ドールシープ(成雄120㎏、成メス70㎏)を狩るアラスカのデナリのオオカミのパック33のテリトリーの平均面積は88-2,560㎢(80-6,272㎢)と桁外れに広大なのは、トナカイなどの獲物が広大な地域を季節的に移動し、オオカミがこれを追って移動するからなのです(Mech et al. 1998) 。

《日本での再導入を考えた場合》

 日本に再導入によって復活するオオカミのパック構成頭数とテリトリーの大きさを想定する場合、紹介した3地域(イエローストーン、五大湖西岸地方、アラスカ・デナリ)のうちのどれが一番当てはまりそうかということがポイントになります。日本でオオカミが主要な獲物とするのは、現在増えすぎと考えられている二ホンジカ、二ホンイノシシの2種だろうと思われます。二ホンジカの体重は、本州以南のものはオスで体重60-70㎏、メスで50㎏台、北海道のエゾシカではオス90-140kg、メス70-100kgです。二ホンイノシシは100㎏前後ですから、主要な獲物の大きさを基準にする場合、本州以南の推定には五大湖西岸地方のオオカミのパックとテリトリーが参考になると考えられます。 すなわち、日本ではオオカミのパックの構成頭数は2.8-5.2頭、中間値を採ると4頭、パックテリトリーの面積は100-300㎢、中間を採って200㎢とすることが考えられます。イエローストーンのものもアラスカのデナリのものも、日本と比べて獲物の大きさが違いすぎるし、それらの社会生態も異なる点がありますから、本州以南への適用は無理が大きいと考えられます。しかし、北海道や本州でも、積雪によって季節的移動が認められる地域には、デナリやイエローストーンが参考になるかもしれません。
 五大湖西岸地方のものを基準にして日本でのオオカミの生息頭数について見当をつけるならば次のようになります。日本の森林面積は約25万㎢。森林ならばオオカミが生息可能と仮定して、生息可能最大パック数と最大生息可能頭数を求めると、250,000÷100=2,500パック、2,500×5.2=13,000頭となります。最小は、250,000÷300=833パック、838×2.8=2,346頭となります。日本の森林地帯で生息可能なオオカミのパック数は838~2,500、生息頭数は2,346~13,000、生息密度は、0.009-0.052/㎢と計算されます。これらのオオカミの生息頭数および密度は、現在増えすぎのシカの生息頭数約400万頭、生息密度も数十頭/㎢に達している地域が普通である状況と比べると極めて小さな値であることがわかります。これはあくまでも見当をつける上での試算ですから、再導入計画を厳密に策定するにあたっては、地方別にさらにいろいろな要因を加味して詳細に検討することが必要です。
 これは現在のシカやイノシシの個体数調整を行う際に再導入するオオカミの頭数ではありません。北海道、本州、四国、九州といった本島4頭の各所に適当数が放獣されるとしても数千頭ということにはならないでしょう。もっとわずかな個体数でよいと考えられます。オオカミは繁殖力が強いので、獲物が豊富で食べ物が不足しなければ、すぐに増加し、次々と分布を広げるからです。オオカミ再導入が行われた北部ロッキーでの放獣数は60頭余に過ぎず、10年余で1,500頭以上に増加しています。ここで行った試算は極めて簡単なものですが、それでも「数万頭のオオカミが日本の山野を駆け巡る光景なんか、絶対に見たくない。オオカミの主食は、通常、もっと小型の動物なのだ。オオカミなんかを放ったら、・・・鹿のおかげでそれでなくとも激減しているウサギやネズミは真っ先にトドメを刺されてしまうだろう」(山田2015)とか、「日本の増えすぎたシカを減らすためには26,000頭のオオカミの生息が必要で、かろうじて日本の森林地帯はこれを収容することができる。オオカミにリスクを感じるとしても、登山にはリスクがつきもので、そうした緊張感があってこそのものなのだ」(日本山岳会2017年3月11日某私大教授講演)といった話は、事実とは大きく異なることがわかるでしょう。そして、もちろん山登りやトレッキングに際してオオカミをリスクとして恐れたり緊張したりする必要性がないことはもちろんです。オオカミはもともと臆病者で人を恐れ、人目を避ける習性を持った動物なのですから。

(狼花亭)

引用文献

Mech, L.D., L.G. Adams, T.J. Meier, J.W. Burch, and B.W. Dale (1998) The Wolves of Denali. University of Minnesota Press, pp.227.

Smith, D.W., D.R. Stahler, and M.S. Becker (2009) Wolf recolonization of the Madison Headwaters area in Yellowstone. Garrott., P.J. White, and F. Watson eds. ‘The Eco,logy of Large Mammals in Central Yellowstone.’ Elsevir, 283-303.

Beyer Jr.,D.E., R.O. Peterson, J.A. Vucetich, and J.H. Hammill (2009) Wolf population changes in Michigan. A.P. Wydeven, T.R. Van Deelen, and E.J. Heske eds. ‘Recovery of Grey Wolves in the Great Lakes Region of the United States’, Springer 65-86.

Wydeven, A.P., J.E. Wiedenhoeft, R.N. Shultz, R.P. Thiel, R.L. Jurewicz, B.E. Kohn, and T.R. Van Deelen (2009) History, population growth, and management of wolves in Wisconsin. A.P. Wydeven, T.R. Van Deelen, and E.J. Heske eds. ‘Recovery of Grey Wolves in the Great Lakes Region of the United States’, Springer 87-106.

山田健(2015)「オオカミがいないと、なぜウサギが滅びるのか」集英社インターナショナル
⇒表題と実際の内容はまるで異なり、出版道徳に反する偽称本です。オオカミ復活については思い付きの偏見しか書かれていませんし、オオカミについて記されているページはごくわずか、1ページにすぎません。何かを期待しての購読は慎重に!

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鹿の食害を考える ドイツに見るオオカミとの共生

当協会が紹介されています
(動物や自然を守ろう にて)

トカゲ太郎のワンダー・ワールド

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