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オオカミギャラリーin大網白里-オオカミを知ろう

2018 年 6 月 10 日 日曜日



 今、全国的に、イノシシ、シカ、ハクビシン、アライグマ、サル等野生動物が増えて、山林、田畑や家屋に被害を発生させるなど、自然と私たちの生活に大きな影響を及ぼしています。千葉県では、最近、外来種のキョンも加わり、これといった有効策がなく、とても困っています。理由ははっきりしています。これらの動物の唯一の天敵であるオオカミが明治時代に絶滅に追い込まれてしまったからです。すべてはオオカミに関する誤解や悪意のある宣伝によるものでした。日本だけでなく、オオカミは、これまでいろいろな地域で虐待され絶滅に追いまれてきました。しかし、欧米社会は、ようやく20世紀後半になってこの過ちに気づき、一転してオオカミの保護、復活に舵を切ったのです。オオカミが自然界でかけがえのない存在であることに気がついたからです。
 
 日本では、その復活はいまだに実現していません。オオカミが自然の守り手であることが十分に理解されていないからです。狩猟やジビエの振興ではオオカミの代わりはできません。日本列島を増え過ぎたシカの食害から守り、緑豊かな自然環境を末永く子孫に受け継ぐためにはオオカミの再導入による復活が欠かせないのです。

「オオカミを知ろう!オオカミギャラリーin大網白里」では、オオカミ不在で荒廃する日本の山野と地域社会の惨状、オオカミと共存する豊かな里山、オオカミの本当の生態についてお知らせします。ご家族、友人たちと一緒に気軽においでください。子どもから大人までお楽しみいただけます。

【内 容】 
・日本の自然、オオカミの生態、海外のオオカミ、千葉県にいたオオカミ等についてパネル展示
・オオカミの足跡、小動物の骨標本等展示
・ワークショップ オオカミの足型づくり、ぬり絵
 子どもから大人まで楽しめます。
【日 時】 7月21日(土)〜29日(日) 10時〜16時
【場 所】 アートギャラリー古屋敷 千葉県大網白里市下ケ傍示(サゲボウジ)60 
 築250年の静かな古民家、入場無料です。
 大網駅から白子車庫、サンライズ九十九里行き小湊バス 下ケ傍示バス停下車
【主 催】 (一社)日本オオカミ協会千葉県支部  連絡先 080-5024-9132 井上

      

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オオカミ童話の多くは差別的です!

2018 年 3 月 4 日 日曜日

童話ぬいぐるみのオオカミによる劇の上演や、映画の上映会。オオカミを悪者にした防犯劇、お話会、紙芝居等々。年中、様々な場所で行われていますが、それを苦々しく思っている人は多いと思います。しかし子供たちが楽しみにしているイベントなので、クレームを言うのもはばかられ、対応に苦慮していませんか?今回、次のように対処できましたのでお知らせします。

平成30年3月3日にぬいぐるみ劇『3びきのこぶた』が、男女共同参画センターの主催により市民会館で行われます。開催間近でしたが、2月28日に次のクレームと要望を電話で主催者に伝えました。

「私達は、日本の自然を守るためにオオカミの再導入と野生オオカミの復活を目指して活動している団体です。『3びきのこぶた』『7ひきのこやぎ』『赤ずきんちゃん』等の童話によって、オオカミが悪い動物として子供たちに強く刷り込まれ、運動の大きな妨げになっています。これらの童話に書かれているのは、誤解、偏見、いじめ、そして差別的です。この様な作品は上演しないでほしい。

もし、今回上演されるのであれば、私達が本当のオオカミの姿を伝えるために作成したリーフレットを来場者に配布してほしい」。

これに対し「今後、該当する作品を上演しない。リーフレット配布は、内容の確認と配布の準備があり今回は間に合わない」との回答が、後刻ありました。「今後当方のリーフレットを会館に配架してほしい」と要望し、了解されましたので郵送しました。ご理解をいただき感謝しています。

『いじめと差別』という言葉で当方の要望を伝えることができたと思います。是非、お試しいただくとともに、モグラたたきではないより組織的な対応ができないものか皆さんの知恵を求めています。これらの童話が元気でいる限り、オオカミ復活による日本の自然再生実現の大きな障害となります。遠慮せずに絶滅させましょう。

 

(日本オオカミ協会理事 井上守)

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誰もオオカミがこわいとは思っていなかった!

2018 年 2 月 8 日 木曜日


千葉県にオオカミがいた!
でも誰もオオカミがこわいとは思っていなかった!


2017年12月9日、千葉市民活動支援センター会議室で、江戸時代の千葉県のオオカミについて講演会を開きました。講演は、長年千葉県で文書、文化財の調査・研究をされてきた習志野市立第3中学校教諭で千葉古文書の会講師の笹川裕さんにしていただきました。現在、狼は存在していたことすら忘れ去られてしまいましたが、狼が身近にいた時代、誰も赤ずきんちゃんの話は知らず、人を襲う動物として恐れていた様子は全くなかったことは明らかです。オオカミの生態を知りたい私達にとってドキュメント画像が目に浮かぶような詳しい記録もありました。おおよそ次のような興味深いお話でした。(井上守)

『江戸時代の古文書に見る千葉県のオオカミ-小金牧の狼狩りを中心に』
笹川 裕

江戸時代、房総(千葉県)には小金牧、佐倉牧、嶺岡牧の3つの牧が存在しました。江戸幕府は駿河の愛鷹牧とあわせて4つの直轄牧場を開設し、放牧を行い軍馬の養成をしていました。それらは、古代から野馬の放牧場としての歴史があるところでした。

下総の小金(こがね)牧では将軍による鹿(しし)狩りが大規模な軍事演習として4回行われました。享保10年(1725)と11年(1726)に将軍吉宗が行っています。鹿狩りは牧に設けられた柵内に追い込んだ野生鳥獣を、伝統的な流鏑馬装束の騎乗の武士が弓矢で捕獲し将軍に武技を見せるもので、1725年には鹿964頭と猪3頭、狼1頭が捕獲され、1726年には鹿500頭、猪11頭、狼1頭が捕獲されました。これらの獲物は武蔵、下野、上野の百姓達約1万5千人が勢子(せこ)となって追い込んだものです。しかし、寛政11年(1795)に将軍家斉が行ったときには鹿98頭、猪9頭に激減しています。狼は捕獲されていません。嘉永2年(1849)には将軍家慶が実施しました。しかし、獣はさらに少なくなり、東北、北関東で捕獲した鹿、猪、兎などを当日柵内に放して行われました。野生動物は、関東平野一帯の新田開発等による自然環境の変化により著しく少なくなっていました。

野馬が放牧されている牧では、幕府役人である牧士(もくし)たちが勢子を指揮し、捕込(とっこみ)に野馬を追い込む捉え馬が行われました。将軍献上用の馬を選別し、運送用、農耕用の馬が払い下げられました。この捉え馬は年に一度の大行事で、高さ3~4mの野馬土手の上に近在からたくさんの見物人が集まり、弁当屋なども現れ、祭りの様な騒ぎがありました。

牧周辺は田畑に開発されましたが、野馬たちの日除け風雨除けに植栽された牧の林は、草地と共に野生動物の住みかであり、村の生活を支える燃料用の薪炭林でもありました。村は幕府の御鷹場にも指定され自然保護区でもありました。一方、野犬や狼は牧で大事な仔馬を襲うことがある害獣で、牧士たちは狼退治のための鉄砲所持を許されていました。鉄砲は猪、鹿等の害獣退治にも重要な道具でもありました。牧周辺の村々には牧運営の役が課されていましたが、野馬が逃げないように作られた野馬土手は、野馬や猪、鹿が田畑に入って荒さないようにするための施設でもありました。人と自然との間に複雑な関係がありましたが、このような関係は、明治になり、牧が開墾地に変わったことにより消滅しました。

小金牧牧士の旧家に山犬、狼が捕獲された記録等が残っていますが、多くの狼がいたとは思えず、疑問があるものもあります。しかし、文化8年(1811)に行われた狼狩りの詳しい記録が残っています。現在の柏市、松戸市、鎌ケ谷市境付近で、山犬か狼の様な動物が徘徊しているとの訴えが牧士にあり、調べたところ、狐穴に4頭の子と2頭の親を発見、うち子1頭を捕獲しました。親狼達には逃げられましたが、巣周辺を調べるとそこには猪、鹿の骨がおびただしく散乱していました。この2頭は前年にどこからかやってきて住みつき、猪、鹿を捕食し静かに暮らしていていたのです。狼は、周辺の百姓達にとっては田畑の害獣を追い払い駆除してくれる存在でもありました。引き続き捜索したところ、古い狐穴に巣替えしているのを発見し子を捕獲。親狼2頭も近くで発見し、追いかけて撃ち殺したというものです。親狼は幕府の役人が検分の後、頭、皮、肢、肉等に分けられ牧士達10名に払い下げられました。魔除けや薬として使われたのではないかと思われます。また、この年には猟師の一人が狼の子を飼育しているとの噂があり、調べたところ仔馬を襲う狼の子に間違いないので役所が取り上げた、という事件が起きています。

安政6年(1859)には、船橋市から千葉市にかかる牧内を牧士と猟師約20名が5日間にわたり狼狩りを行った記録があります。しかし、これは野犬や害獣の駆除を目的とした村々の費用による接待付きの出張だったと思われます。

房総所在野馬牧位置図

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鹿の食害を考える ドイツに見るオオカミとの共生

当協会が紹介されています
(動物や自然を守ろう にて)

トカゲ太郎のワンダー・ワールド

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