ニュース&コメント « 一般社団法人日本オオカミ協会

‘ニュース&コメント’ カテゴリーのアーカイブ

第2回おおかみ展

2018 年 3 月 20 日 火曜日

おおかみ展

従来の狼のイメージは「赤ずきんちゃん」や「三匹の子豚」などに見られるように野蛮で凶暴なものが多く、生物としての狼の姿を正確に現していない。我々が童話などを通じて抱く狼への恐怖心をドイツでは「赤ずきんちゃんシンドローム」と呼ぶ。日本における狼再導入に向けて従来のイメージにとらわれずにより科学的な知識を得るための入り口としての「おおかみ展」第2回目の開催。

【場所】IGAO
〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-11-2AIOS広尾ビル1F
TEL:03-5793-3778

【期日】2018年4月1日~4月29日

【オープニング・レセプション】4月1日(日)14:00~23:00
【プレゼンテーション】丸山直樹氏(日本オオカミ協会)15:00~

【参加アーティスト】
Takeru Amano
Bakibaki
Natalia Bieganska
Michael Black
Simon De Boer
BOXER JUNTARO
Cohshi.
D[di:]
シンジフクモト
Daniela Jules Garza
Ginji
Masaoki Haba
萩山たかひろ
Hayato Hori (Holhy)
岩切章悟
Takeru Iwasaki
Jaako
Shimon Kato
Hideyuki Katsumata
Kaz
Kodai
松岡友
Mighty Mummy Frogs→
NANDE
苦虫ツヨシ
Ocho
オダユウジ
Ryuichi Ogino
Shun Okunuki
雄猿

SUI THE TOKYO
立花諭
高橋洋平
tAt
寺尾サトミ
Tsuka
Yoshi47




コメントは受け付けていません。

触れる展示:オオカミの足跡って大きいぞ!

2018 年 1 月 12 日 金曜日


オオカミの足跡
一般の美術館・博物館の多くは、基本的に<見る>ための美術館・博物館です。展示物がガラスケースの中にある、あるいは「触れないでください」と書かれているミュージアムが多い中、地域の公民館において本物の作品や標本に触れる展示が企画され、日本オオカミ協会がオオカミ足跡のレプリカ(のレプリカ)を提供しました。

鈴が峰公民館は、広島市西部にそびえる標高312Mの鈴ヶ峰の中腹にあります。正面に厳島を眺望できる地域住民の憩いの場であり、井口台小学校や井口台中学校と隣接する校外学習の拠点でもあります。この公民館職員の発案で、『森の生態系を考える展示』が2017年12月1日から25日まで開催されました。日本オオカミ協会と広島修道大学とがこれに協力し、野生動物の骨格標本とオオカミの足跡のレプリカを用いた現代アート作品を出品しました。出品物は「触って」学習していただけるように作成・展示し、児童生徒が触ることで、少しづつ違った『オオカミのいた頃の森の記憶』が演出されたそうです。

骨格
骨格標本など(新田由美子、作成と提供):
オオカミ足跡レプリカのレプリカ(イエローストーンのオオカミの♀2歳、中国内モンゴル自治区のオオカミ)、トカラヤギ(♀頭蓋)、ノウサギ(頭蓋、長骨など多数)、ニホンジカ(♀頭蓋)、チョウセンイタチ(全身)、イノシシ(下顎ほか)、その他の骨格標本を、自由に触ることが可能。骨格テキストも閲覧可能で、興味次第で重量やサイズを測定可能。

オオカミの足跡、沼本秀昭、制作『森の記憶
オオカミ足跡(沼本秀昭、制作):
『森の記憶』と題する(落ち葉の中に、オオカミの足跡レプリカのレプリカ、野生動物の骨、空き缶やスニーカーの足跡を配した)現代アートで、骨、空き缶や落ち葉は自由に配置換え可能。

レポーター:JWA中国支部長 新田由美子

コメントは受け付けていません。

【必読!】知床博物館研究報告特別号

2016 年 6 月 29 日 水曜日

【必読!】知床博物館研究報告特別号 第1集(2016年2月29日発行)

シンポジウム「知床国立公園における野生動物の保全と管理2015」報告書

以前、JWAホームページの2015年11月6日付記事「世界が見ている『日本でのオオカミ復活』そして『知床の未来』」で、札幌IWMCでの知床シンポジウムの概要をご報告しましたが、その正式な報告書が知床博物館ホームページ上で公開されました。

http://shiretoko-museum.mydns.jp/shuppan/kempo/kempos1
(ページメニューの「出版物」→「紀要と年報」→「研究報告特別号」とクリックして、読みたい文書のPDFを選択します。)同一の内容が英文・和文両方で収録されています。海外の方も含め、ぜひ多くの方にお読み頂きたいと思います。


■オオカミ復活は必然の未来

文書は全9題。どれも知床の現状と課題を把握するのに有用なものですが、オオカミ復活に関しては8題目の「知床–イエローストーン国立公園シンポジウムに対するコメント」 デール R.マッカロー (P105–111)をお読み下さい。
マッカロー博士は文中で「オオカミによる人間の安全に対する脅威は、ほとんどないか、皆無である」と断言しており、シカ害対策のコストやオオカミによる家畜被害などのデメリットと比較して、オオカミ復活のメリットを考えるべきだと述べています。これは私たちJWAが2015年に開催したオオカミシンポでも、招聘講演者のミッチ博士やバーテン氏が口をそろえて言っていたことです。

さらに心強いのは、マッカロー博士が「日本の一般市民は、将来のいつかの時点で、生態系の中でのオオカミの役割について、もっとバランスのとれた理解に達するだろう」と書いていることです。その時に人々は、オオカミの再導入プログラムを受け入れる方向に進むだろうと述べていて、早いか遅いかの違いはあってもオオカミが復活する未来は必然であるという前提で話をしていることが分かります。その参照のためにはイエローストーンよりもミネソタ州が良い見本であるといった現実的な助言も書かれています。


■目指すべきは自然調節の回復

オオカミ復活が必然である理由は4題目の「イエローストーン国立公園と知床国立公園の保全モデルの比較」キース オーネ(P35–54)を読むとさらに分かりやすくなるかもしれません。概念的な説明が多いですが、ポイントが整理されているのでぜひこちらもお読み下さい。オーネ氏の専門はバイソンなどの草食獣で、その保護管理から「捕食」という自然の機能を考えています。従ってオオカミ復活を前面に押し出す論調ではありませんが、マネジメントの主眼は捕食動物による自然調節メカニズムを作り出し自然の作用を回復させることにおくべきだという主張、国立公園(とりわけ知床のような自然遺産地域)では、人間の手による「捕食機能」は補助的・代替的なものであるべきだという主張から必然的に導かれる推奨案は、オオカミの復活以外ありません。


■日本の停滞を招いているのは誰か

オーネ氏は、被害軽減のために安易に柵に頼ることの問題点についても述べており、私は福井県と石川県が県境に作ったシカ柵でもめた話をつい思い出してしまいました。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19H0W_Z10C15A8000000/

柵の物理的な効用や弊害、コスト面にとどまらず、柵を作ることが市民の意識に与える影響まで考慮しての幅広い議論ができるというところに、米国の野生動物管理の先進性を感じます。
一方、日本では、本来このような野生動物管理の議論をリードするべき立場の研究者や環境省が、「オオカミの復活は検討する段階にない。時期尚早だ」とこぞって議論を避け、(札幌IWMCの主催者で、知床科学委員会の元座長でもある梶光一氏の態度がその典型でしょう。前出の記事参照)あるいは公式のパンフレットに「オオカミは慎重に考えることが必要」と明記するなどして、一般市民は受け入れないだろうという憶測をもとに「オオカミ復活はナシ」前提での研究や教育を続けているのが現状です。しかし、このまま議論もせず、ただ座して待っていれば、いつしか一般市民は自然に考えを変えるとでも思っているのでしょうか?このような専門家の態度こそ、一般市民のオオカミ理解の進展を阻害している要因と言えるのではないでしょうか。

報告書でオーネ氏はそれを「明らかなイニシアチブが存在していない」というマイルドな表現にとどめ、「関係者間の調整ばかりでなく、もっと明確なトップダウンの決定を」と改善を提言しています。研究者や主管官庁が、議論の開始を「時期尚早」と先送りすればするほど、未来は遠のくばかりです。科学的な知見にもとづく、未来を見据えた対応や教育に一刻も早く着手することが必要です。シカ捕獲の体制を強化して植生にやや回復が見られたとはいえ、将来にわたってこの体制は不適切であると本シンポジウムにおいて日米で認識の共有がなされたのですから、知床でも早速、オオカミ再導入の議論を始めて欲しいと思います。

南部 成美

コメントは受け付けていません。


鹿の食害を考える ドイツに見るオオカミとの共生

当協会が紹介されています
(動物や自然を守ろう にて)

トカゲ太郎のワンダー・ワールド

Get Adobe Flash player