人間の偏見と生物多様性についての考察

生物多様性や人間の偏見などについて、色々考えています。

人間は偏見を必ず持った動物です。「私にはそんなものは無いよ」、というような顔をしている人も、必ずあります。偏見の最たるものが、人種的偏見です。日本でも部落差別やアイヌ・沖縄の人たちに対するものが依然としてあります。職業による差別や性差別も依然としてあるようです。
動物に対しても、同様です。オオカミやアオダイショウがその最たるものです。大学の理工系を卒業したような人でも、大いなる誤解と偏見を持ち合わせていることに、驚いたものです。一般的には、高学歴で知識や教養のある人ほど偏見は少ないと言われていますが……。オオカミは恐ろしいという誤解からの偏見、アオダイショウは見た目の気持ち悪さからの偏見でしょうか。人畜無害どころか、益獣そのものなのにです。パンダが不当にもてるのは、人間に好かれる姿や動きをして愛嬌があるからで、偏見の裏返しでしょうか。
農耕民族だった日本人が、昔から益獣(鳥・虫)としたものには、他にツバメ・ミツバチなどがありますが、益虫なのに誤解されているものに、ヤモリ・イエグモ・ゲジゲジ・ミミズなどがあります。逆に害獣(鳥・虫)とされているものには、ネズミ・スズメ・シカ・イノシシ・サル、そしてゴキブリ・ダニ・ノミ・シラミ・シロアリ・ムカデ等、そのほか農作物に対する数々の害虫たちです。スズメは雑食性で、米だけではなく虫も捕食しますので益鳥としての側面も持ち合わせますが、最近の研究によると、害鳥としての比重よりも益鳥としての比重のほうが大きいそうです。モグラは肉食で、虫を捕食しますので益獣ですが、畑の中にトンネルを作り、作物を浮かせて被害を出しますので嫌われているようです。
私は家の中にいるゴキブリやムカデは害虫として殺処分しますが、ムカデはゴキブリを捕食してくれますので益虫でもあります。しかし、刺されるのは御免蒙りたいので害虫にせざるを得ません。しかし、例え人間に嫌われていても、自然界にいるのは何らかの必要性があって、この世の中に生きている訳で、原則として殺さないことが生物多様性から見て正しいと思います。マムシやスズメバチが正にそうです。しかし、またしても「しかし」ですが、シカが増えすぎたことによって、それに寄生する(吸血する)ヤマヒルの増殖は我慢できません。登山者が山でよく被害に合います。見つけ次第、殺処分です。人間が自然界のバランスを壊した結果のしわ寄せですね。
日本もいよいよ欧米に習って、オオカミの力に頼るべき時が来たと思っています。生物多様性の考えを無視して損得計算だけから見ても、日本の農業や林業にとっても救世主になるでしょう。 (大阪府 時倉)

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