毎日新聞の地方紙に「オオカミ復活」が取り上げられました(2)

信州・取材前線:研究者らの協会、オオカミ復活を提言(その2止)
明治に捕殺し
絶滅 専門家「管理は困難」 /長野

 ■米で植生回復も

 イヌ科のオオカミはユーラシア大陸や北米大陸など北半球に広く分布する。普通は
ハイイロオオカミ(タイリクオオカミ)1種を指し、生息地によって亜種に分かれ
る。

 絶滅したニホンオオカミは別種とする意見もあるが、ハイイロオオカミの亜種とす
る見方が有力で、北海道にいたエゾオオカミも亜種とされる。

 環境省のレッドデータブックによると、ニホンオオカミは日本固有亜種で絶滅種。
1905(明治38)年に奈良県で捕獲された雄を最後に記録がない。絶滅原因は狂
犬病の流行に伴う捕殺の奨励、開発や狩猟による餌動物の減少などが指摘されてい
る。エゾオオカミも駆除により1900年ごろを境に激減したとされ、絶滅種。

 県内でも江戸時代の古文書などから、ニホンオオカミが生息していたとされる。

 オオカミ再導入は、国外で米国のイエローストン国立公園に事例がある。1940
年代に駆除によりオオカミが姿を消し、シカ類が増加。食害で公園の植生が損なわれ
たため、94~95年にカナダから31頭を導入。その後は順調に増えて公園周辺に
も分布を広げ、03年には公園内で推定174頭に増加。植生も回復したという。

 国内では、北海道斜里町が知床国立公園の森林生態系を再生するトラスト運動でオ
オカミやカワウソの復活を目指している。ただ、これまでの専門家の検討では、オオ
カミは導入後の分布拡大による個体管理の困難さや、家畜の被害補償などの問題があ
り、町は「長い目で取り組む課題」とする。

 獣害に悩む大分県豊後大野市の橋本祐輔市長が再導入を検討している。オオカミ復
活には、関係機関の合意や地域住民の理解、法的手続き面も含め、多くのハードルが
ある。

毎日新聞 2012年1月21日 地方版
http://mainichi.jp/area/nagano/news/20120121ddlk20040042000c.html

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