モンタナ州魚類・野生生物・公園局 Q&A「オオカミと人間の安全のために」

http://fwp.mt.gov/fishAndWildlife/management/wolf/human.html#see

Q.モンタナ州民の安全は考えられているのでしょうか?

A.ハイイロオオカミは、非常に順応性のある種です。世界中でオオカミと人間は、多くの人が考えているよりも近くに住んでいます。アラスカを除いた合衆国諸州では、オオカミは無人地帯だけに住んでいるわけではありません。モンタナでは、実際、奥地の無人地帯よりもその外側でより多くのオオカミが生息し、人々とオオカミとの接触の可能性は増え続けています。オオカミは、好奇心が強いにもかかわらず、普通、人を恐れ、人間の安全を脅かすようなことは滅多にありません。しかし、この100年間、北アメリカでは、オオカミによる人間への多くの傷害と2、3の死傷事故が起きています。その主な要因は、人馴れ、人間の食べ物への条件付け、狂犬病感染、飼い犬の存在です。最近では、2005年秋、北部サスカチュワンの人里離れたキャンプで、男性が一人、明らかに4匹のオオカミの群れに殺されました。この事件は、まだ調査中ですが、報酬として食物獲得と結びついた人間への馴化が、この4頭のオオカミを人に対して非常に大胆にし、攻撃的にさせることにつながったのです。しかし、どこでも、いつでも、オオカミの人への攻撃は、大型、小型にかかわらず他の野生生物種と比較して珍しいことなのです。ほとんどのケースは未然に防げます。野生のオオカミが、人々と交流したり馴れたりすることは滅多になく、建物や家畜、飼い犬の周り近くを徘徊することは通常はありません。こうした行動は、人馴れした個体、食物条件付けされた個体、放された飼育オオカミ、また放されたオオカミ犬などではるかに典型的なものです。 野生のオオカミは、普通、居るべき場所とすべきことを持っています。オオカミは、人間の近くで見かけることはあっても、人間の住むエリアを捜し歩いたり、うろついたりしないのです。

Q.どんな時にオオカミを見ることができますか?

A.オオカミは、人家に近い自然の生息地、特に森林地帯や、よく「都会と荒野の境界」と呼ばれるような地域に生息しています。それゆえに、ハイイロオオカミは他の大きな肉食動物、例えばマウンテンライオンやクロクマより頻繁に目撃される可能性があります。オオカミは、普通、道路や狭い歩道、鉄道線路を移動用ルートとして当たり前に使います。彼らは、交通事故死した死体をごみ捨て場で食べることすらあります。かれらの足跡と糞は道でよくみつかります。オオカミは見通しのいい開けた土地で食べたり休んだりしますが、マウンテンライオンは獲物を隠したり、深い茂みの中で食べたり、休んだりする傾向があります。 オオカミは、マウンテンライオンやクマと違い、森の中の空き地を通り抜けたり、自然草地を通って移動します。また、オオカミは群れ生活をするので、一度に数頭を見かける可能性があります。

Q.オオカミとの遭遇をできるだけ避けるにはどうしたらよいでしょうか?

A.野生動物は、野生のまま、離れて観察するのがベストです。しかし、野生動物は、だんだん、人と頻繁に出合ったり、餌をもらったりするうちに人への恐怖感を失い、大胆になってきます。特にオオカミやクマはそうです。大胆になったオオカミやクマは、確かな見返りを期待して、人間と人口密集地へ近づこうとするのは大いにありそうなことです。 オオカミの社会性と学習能力の速さによって、比較的短時間で人に馴れ、人への恐れを失ってしまいます。オオカミが近くに住む状況下で、オオカミを野生のままに保ち、人々から安全な距離を保つことは、私たちが簡単にできる責務なのです。ほとんどの遭遇は防げたのです。
以下のガイドラインに従ってください。
●オオカミを、大きな野生動物として、また自分より10倍もの大きさの獲物を仕留める能力のある動物であるとみなしましょう。
●オカミに近寄ったりせず、気を引いてあなたの方へ来させたいという誘惑に耐えてください。 彼らをあなたの近くに来させてはいけません。
●ペットフードを含めて、食べ物を外に置かないこと。オオカミに餌をやらないこと。
●オオカミが仕留めた獲物、巣穴、育児場所に近寄らないこと。
●住まいの近くで、あるいは車からオオカミに餌をやろうとしないこと。
●オオカミが人を恐れなくなるようことや、快適さを学習させるようなすべてのことをしないこと。
●人の住む地域一帯で彼らを心地良くさせないこと。
●人々のまわりでくつろいでるオオカミを見たり、人に食べ物をねだったり、人のいる地区で頻繁に見かけたりしたら、行政当局に通報すること。早めの対処は、問題の悪化を防ぎ、傷害事故の未然防止に役立ちます。

Q.オオカミと出合ったら、どうしたらよいですか?

A.第一にオオカミの人馴れ防止ができることのすべてです。 オオカミを近づかせないこと、人間の住居または居住地域のまわりを快適にしないことです。すべての野生生物に対して、人工の食物を与えてはなりません。オオカミは飼い犬に対して攻撃的になることがあります。オオカミは犬を「ナワバリに侵入しているオオカミ」と見なすので、追い払うか、殺そうとします。オオカミは、いつでも犬には攻撃的ですが、特に危険なのは、繁殖期の前後(12月 〜2月)、巣穴での育児期(4月 〜5月)、また、オオカミの子が近くにいる時です。もし、あなたが犬と一緒の時にオオカミにであったら、できるだけ早くあなたの後ろ側足元に犬を寄せてください。あなたが、オオカミと犬の間に立っていれば、普通、何事もなくすむことでしょう。あなた自身の危険性を避けるために、オオカミとあなたの犬の争いに、自ら分け入って止めようとしないでください。もし、オオカミが接近してきたり、あなたがオオカミを驚かせてしまったりした場合、
●立ったまま、背を高く、体を大きく見せるようにしてください。
●オオカミに対して、攻撃的な行為をし、物音をたてるとか、ものを投げるなど。
●目を見つめたまま、静かにゆっくりと後ろに下がってください。
●もし、すぐにオオカミが逃げて行かなくても、自分を大きく見せ続け、目を見つめ続け後ろに退き続けてください。
●背中を見せて、オオカミから走って逃げてはいけません。
連邦政府によって保護されているとはいえ、「絶滅危具種保護法」には、差し迫った危険があるとき、だれでも自己防衛としてオオカミを殺してよい条文があります。 どのような接近遭遇であっても、24時間以内にモンタナ州魚類・野生生物・公園局に報告してください。                      (抄訳:佐々木まり子 2012年 5月9日)

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