誤った観念を植え付ける時代遅れの警察教育劇に要望書を提出!

オオカミは人を襲いません!!

日本オオカミ協会は、本日9月26日(水)に警察庁長官、片桐裕氏宛に
要望書を提出いたしました。

警察庁要望書120927 (←クリックするとPDFが開きます)

日本全国で、所轄の警察少年課では、幼稚園児などを対象とした教育目的の人形劇などを行なっています。警察署の少年課担当、およびボランティアなどが子供たちに「万引き」や「児童連れ去り」を予防するための教訓を込めた物語を作り、人形劇などにして見せています。
こうした中で、必ず怖い顔のオオカミが犯人役として登場させられ、万引きをそそのかしたり、子供を誘拐したりするのです。

http://kyoto-np.jp/education/article/20120907000029
実際の誘拐犯は、牙をむいた怖い顔をしているわけではなく、優しい顔で言葉たくみに子供たちに近寄る仮面を被った人物です。怖い顔をした犯人像を児童に教え込んでも何の役にもたちません。

一方、マイナビニュース会員を対象とした「あなたが好きで忘れられない童話」を調査したところ、第4位に「赤ずきんちゃん」が入っていました。(調査期間:2012/5/28~2012/5/31、有効回答数 1,000件)

オオカミは、日本の健全な生態系に、頂点捕食者として欠かせない存在です。我々日本オオカミ協会では「赤ずきんちゃん」に出てくるオオカミの怖いイメージが、日本のオオカミ復活を阻害する大きな障壁になっているために、正しいオオカミ生態の啓発運動に励んでおります。
警察庁が全国で行なっている児童への人形劇は、間違ったオオカミイメージを子供たちに植え付けるものです。野生動物を擬人化したこのような教育は、生態系を構成する生命への偏見を生み、地球環境、生物多様性への科学的な正しい理解を歪めるものです。
細分化された所轄への抗議は焼け石に水です。警察庁長官宛で、全国的にこういった教育を改めてもらうよう要望書を提出いたしました。

(2012年9月28日 佐々木まり子)

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