【オープンセミナー】オオカミも驚く列島異変:私たちが知らなかった山地の荒廃!「森林飽和」を読み解く

 

日本の国土は荒廃している。それは自然を「放置」したからではない。間違った方法で自然に手を加えてきたからではないか。今回の「オオカミオープンセミナー」は、大きく視点を変えて、森林水文学・砂防工学・森林環境学からシカの増えすぎによる自然破壊を考える。今回の講師は、この分野の権威、太田猛彦先生に、忙しいスケジュールを割いていただきお願いした。最近の先生の著書「森林飽和-国土の変貌を考える」(NHKブックス2012年)は、森林の状況や機能について、専門知識がない一般人でも理解できるように平易に書かれている良著である。

先ず驚かされることがある。昔、禿山は全国的に多く、里山の森林は荒廃していたというのだ。打って変って現在の森林は立派に成長し、国土は「森林飽和」の態という。この結果かどうかわからないが、禿山は消えて、土砂崩れが減り、川から砂がなくなり、土砂の流れが変わって砂浜が減っているのも事実だ。

森林の荒廃

森林の荒廃


ところで、各地で川の水も減っているという。河川の流量の減少については、私たちも山村で何度も聞いている。山村の人たちは、人工林が成長し放置されているからだと言う。ならばどうして?なんだか変だ?素人にはちょっとわかり難い。太田先生の本を読んでいるうちになんとなく「からくり」が見えてくる。ちょっと待てよ。これって、増えすぎたシカが森林生態系を破壊している現象と重なっていないだろうか。それどころか、両者は密接な関係があるのかもしれない。ひょっとして、ヒトもシカも同じような破壊行為をしているのではないか?先生もこの本の中で獣害問題に触れておいでだ。今回、太田先生から直接お話をお聞きした方がよさそうだ。オオカミの絶滅も無関係ではなさそうだ。山から海まで、人と森とオオカミと、まとめて理解してしまおうという「知的欲張り」が今回のセミナーの狙いである。一般の方々から学生諸君、多くの方々の参加を歓迎します!

【講師】太田猛彦氏 (東京大学名誉教授)
講師プロフィール: 1941年生。東京大学大学院農学系研究科博士課程終了。農学博士。
東京農工大学助教授、東京大学教授、東京農業大学教授を歴任。東京大学名誉教授。砂防学会、日本森林学会などで会長を歴任。日本学術会議会員、林政審議会委員を務め、現在FSCジャパン議長・かわさき市民アカデミー学長。主な著書:「森と水と土の本」(ポプラ社)、「水と土をはぐくむ森」(文研出版)など。

【日時】2015年1月31日(土)13:30~16:30
【場所】地球環境パートナーシッププラザGEOC(渋谷区神宮前5-53-70、国連大学ビル1F)
http://www.geoc.jp/access
【参加費】会員500円・一般1000円
【申込み】不要
【お問合せ】一般社団法人日本オオカミ協会事務局
TEL&FAX:0558-64-8800
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