【声明】ロシアによるウクライナ侵略反対

 ロシア独裁者による、人道と正義に反するウクライナ侵略戦争に反対します。そして一日も早く戦争が終結し平和が戻ることを求めます。戦争は、人命だけでなく、あらゆる生命の源である自然をも破壊します。

 古代、北アフリカのカルタゴを攻めたローマは、その再起を阻むために、塩を撒いて耕地を不毛の大地に変えたのですが、数千年を経た今日でもその蛮行の傷跡は癒えていません。同様に、現代のウクライナでは、近代兵器による大規模破壊によって豊かな大地、自然が破壊されています。中でも、ロシアによるチェルノブイリやザポリージャなど原発の攻撃は最悪です。原発破壊による放射線の拡散による環境汚染はウクライナだけでなく、周辺諸国、これを破壊したロシアさえも免れることはできません。それどころか、放射性物質は風に乗って北半球の全域に拡散することでしょう。1986年のチェルノブイリ原発事故による生命の危険は、36年を経た今日でも除去されていないどころかいつ収束するのかわかりません。

 チェルノブイリ一帯の広大な地域の無人化した荒れ野には、事故後オオカミ、オオヤマネコ、アカギツネなどの中大型捕食者をはじめとしてノロジカ、ヘラジカ、アカシカ、イノシシなどの野生動物が増殖し、自然保護区の観を呈しています。しかし、人間と同様に、ワイルドライフとて放射能汚染による影響を免れ得ません。外見から見える奇形などの病徴を除き、隠れた遺伝子障害は外観からではわからないし、世代を超えて発現する恐れが残ります。野生生物が増えたからといって、自然生態系が健全に回復していることにはならないのです。自然と人間との共生の可能性は断ち切られ、壊されたまま放置されます。そして私たちは苦しみ続けることになるのです。

 ウクライナはロシア、ポーランド、ベラルーシなど周辺国となんの隔たりもなくつながっています。平和ならば、オオカミをはじめとした野生動物は国境を越えて自由に往来し、森林と耕地が入り混じった美しく豊かな文化景観の中で人間と共存共生しているはずなのです。今、すべてが破壊されようとしています。非情で残虐な独裁者の仕業です。

 オオカミの復活を通じて日本の国土自然と国民の幸せ実現を目指して活動している一社)日本オオカミ協会としても、ウクライナの戦乱の惨状は他人ごとではありません。国土防衛に命を賭して侵略者と戦っているウクライナ国民と同じく、己が身に降りかかるリスクを承知で自国独裁政権の蛮行に抗議しているロシア市民に心より敬意を表します。そして、この戦乱で傷つき、生命を失い、悲しみに沈む、すべての人々に哀悼の意を表します。

 自然への敬意と人道と正義に則り、ロシアの独裁的権力者に対して、即時停戦撤退、平和の回復、生命の安全実現を強く求めます。事実から隔離され、自国の独裁政権を支持し、非道を容認しているロシア国民は、他国の国民にも思いを致し侵略戦争の即刻停止を自国政府に働きかけることを求めます。同時に、ロシアによる国際平和を踏みにじる侵略戦争を非難することなく、支持容認、追随傍観している各国政府には戦乱収束に向けて努力するよう求めます。

武力に溺れる者は、武力とともに滅ぶ。 ひたすら平和と自由の回復を!

2022年3月19日     一般社団法人 日本オオカミ協会

Follow me!