WOLF LETTER #1 熊野の森オオカミみゅーじあむ通信
【オープン記念講演会】
2024年3月30日のオープン日にオープン記念講演会を行いました。熊野の森オオカミみゅーじあむが入っている「kumano森のふくろう文庫」は満員御礼でした。前日の雨により到着が遅れたオオカミ協会丸山会長の講演が中止となり、その代りに地元和歌山県の上野理事による「南方熊楠とオオカミ」の講演、続いてみゅーじあむの大槻館長による「熊野の森とオオカミの深い関係」の講演を実施しました。和歌山県出身の博物学者南方熊楠が指摘したとおり、紀伊半島の熊野地方周辺にはオオカミを神の使いとする信仰があり、オオカミの力を借りて野生動物から人間や田畑を守るという考え方、民俗がありました。生態系の中で重要な役割を果たしていたオオカミですが、当時の山村集落の住民にとっても大きな意味のある動物だったようです。
【梨花女子大学・生物多様性財団が来館】
韓国・ソウルの同財団の設立10周年を記念してこの9月に催されるイベントに、日本オオカミ協会が招かれ講演をすることになりました。その準備のため同財団事務局長のSanha Kim氏ほか2名の方が5月17、18日の2日間当館を訪問されました。まずオオカミ協会の活動実績や国民の意識変化などを説明し、その後下記の関連スポットを案内しました。
- 奈良県東吉野村・ニホンオオカミ最後の捕獲地(オオカミ像と役場のオオカミコーナー見学)
- 奈良県十津川村のブナ帯天然林と人工林(森林が持続できないほどのシカ被害)
- 十津川村の高滝神社(オオカミを神の使いとする。祭事の道具を借り田畑を守る風習)
- 十津川村歴史民俗資料館(高滝神社に伝わる風習の解説)
- 和歌山県新宮市の民家(オオカミにより妖怪から助けられた人の伝説)
- 和歌山県新宮市(地域史研究家の話・オオカミ毒殺、毛皮と骨を保管する家の話)
- 和歌山県太地町(狼煙場の見学とオオカミの糞の採集を命ぜられた話)
- 和歌山県那智勝浦町(原生林の発光性きのこ見学と本来の自然の大切さの話)
韓国ではトラ、オオヤマネコが絶滅し、ツキノワグマは絶滅寸前になり一時的に再導入が試みられたそうです。Sanha Kim事務局長は「絶滅種の再導入は欧米では事例や研究成果が積み重ねられてきているがアジアではまだまだ。韓国でもトラ、オオヤマネコ、ツキノワグマなどの再導入の実現を目指したいので、日本オオカミ協会とも協力していけたら嬉しい」と仰ってくださいました。
【ご来館者様集計】
- 3月30日 オープン日:約60人
- 4月 267人(うち外国人134人)
- 5月 216人(うち外国人121人)
多数のご来館ありがとうございました。