『オオカミふぉーらむ2019秋』開催のお知らせ
一刻も早いオオカミ再導入実現のために!
今秋も米国モンタナ州からスティーブ・ブラウンさんが来日、今や恒例になったフォーラムを開催します。
今回は、札幌、宇治、阿南を回ります。話題は三つ。
1.『オオカミ再導入後四半世紀のイエローストンの生態系:オオカミは河流を守る!』(スティーブ・ブラウン):オオカミ再導入によって、荒れた河川の流路は安定し、今では、ビーバーやカワウソ、渓流の生物を初めとしていろいろな野生が命を謳歌しています。オオカミの影響は河川にも及ぶという事実は希望です。温暖化が止まらない地球、米国はハリケーン、日本は台風、激しさを増すばかりの自然災害。シカに荒らされた山地からの流出土砂は谷を削り、河川を埋め、豪雨のたびに氾濫、洪水の原因になっています。オオカミはこうした大惨事を防いでくれます。シカ荒れが治まった緑豊かな山から流れ出る河川は少々の雨では濁りません。海の幸も復活します。
2.『オオカミの冤罪を晴らす』(丸山直樹):だからオオカミ復活。とはいえ、オオカミは人を襲うのではないかといつまでも怖がる人が多いのが残念。でも、心配無用。多くの人食いオオカミが古文書に現れたのは、江戸時代中期の「元禄の飢饉」と「生類憐みの令」の時代。飢饉時のイヌによる人食い、人身売買、口減らしの罪までオオカミに着せた公文書捏造。それに、18世紀の狂犬病の侵入と蔓延。このウイルス病を流行らせたのは、少ないオオカミではなくてどこにでもいたイヌ。オオカミが絶滅しても狂犬病は絶滅しなかったのです。明治期、オオカミ殺しの欧米文化導入によってオオカミは根絶。オオカミ冤罪晴らしは、オオカミ復活を実現し、日本の自然と私たちを救う扉を開きます。
3.『モンゴル・フスタイ国立公園のオオカミ』(大槻国彦:宇治):今年5月の訪問記。大草原の中のシラカバの丘陵、面積約5万ha。オオカミを守るには小さな保護地域でも大丈夫。再導入されたモンゴルノウマやアカシカの群れを追いながら生きる続けるオオカミ数パック。自動車道路も人もいない長閑でワイルドな国立公園。でも、地球温暖化と野放しの密猟の影が・・・。米国の広大な国立公園は素晴らしいけれど、日本は狭いからとあきらめていた人たちには朗報です。小さな保護区のフスタイを知ったら、日本でもオオカミの復活は大丈夫と思いませんか。首都ウランバートルの郊外には、フスタイと同大のボグドハーン厳正自然保護区があります。ここにも数群のオオカミのパックが生息しています。人を襲っていないのはもちろんです。実は、オオカミを襲っているのは密猟者なのです。
10月25日(金)13:30~16:30
会場:札幌エルプラザ
話:S.ブラウン/丸山直樹他
司会:反橋一夫(北海道支部)
10月27日(日)13:30~16:30
会場:宇治市南宇治コミュニティーセンター
話:S.ブラウン/大槻国彦(理事・紀州吉野支部)
司会:近藤聡(近畿支部)
10月28日(月)18:00~21:00
会場:阿南市橘公民館
話:S.ブラウン、丸山直樹、他
司会:松林直行・佐々木志摩子(四国支部)