オオカミ議論、演劇として公演!
オオカミ再導入への人々の議論はついに演劇となって公演された。スコットランドでのオオカミ導入派と反対派の攻防戦が続くなか、人々はどのようなことを行っているのだろうか・・・BBC NEWS 2009 年の記事から紹介する。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/scotland/highlands_and_islands/8311111.stm
脚本家サマンサ・エリスによる「スコットランド最後のオオカミ」は、荒野保護地域での会議の間、金曜日に、一般向け初演を迎える。リーズ大学ワイルドランド研究所は、その会議の間に、ハイランド地方の野生生物の専門家であるロイ・デニスの講演も開催する。 オオカミは、18世紀にスコットランドで絶滅に追いやられた。エリス氏は、オーストラリアでワニの再導入に抗議するアボリジニ女性について読んだ後、その演劇に関する仕事に着手した。 昨年、慈善事業団体 “オオカミと人財団” が、スコットランドのハイランド地方への野生オオカミ再導入の潜在的効果を「真剣に議論すべき」との声明を出している。この時、「オオカミと人」財団のリチャード・モーリーは、大衆の支持はこれから先15年間増え続けるだろうと予想している。
オオカミの罠
森で見つかったオオカミの罠の跡は、最近、史跡データベースに加えられることになった。 インヴァネスに近いモイ村の罠は16~18世紀の間のものと考えられている。オオカミは、潅木でおおわれた深い穴の上に、注意深くバランスを取られた厚板の上に置かれた餌で誘引されたのだ。この罠は、ハイランド地方議会が管理する歴史環境記録台帳に記載される。
荒野の地図
サザーランド最後のオオカミは1700年にポルソンと呼ばれる男によって殺されたことは、ブローラに近いA9の壁面の石の刻みが教えてくれる。 グラスゴー動物園(現在は閉館)の研究によると、オオカミは公衆の敵と考えられていた。 狩猟は族長たちや王族によって行われていた。1563年に女王メアリーが加わったものは、ハイランドの人々を2,000人雇い、5匹のオオカミと360頭の鹿を殺した。パースシア、ロッホアーバーとアーガイルの森の巨大な帯状地帯は、オオカミから彼らの生息地を奪うために組織的に破壊された。 一方、ワイルドランド研究所は、計画策定と政策樹立を目指して、ジョン・ミューア・トラストの協力を得て野生地図の作成を進めている。
(抄訳:佐々木まり子 2012年5月3日)