日米オオカミふぉーらむ山梨2018
イエローストーンの自然の回復は自然の奇跡:鍵は絶滅オオカミの再導入‼
「甲斐の山と里を救うのはオオカミ!オオカミは人食いではありません」
「オオカミは外来種ではありません。日本の生態系と生物多様性の守り手です」
世界遺産富士山を守るのはダレ?
お花畑を食い荒らされた南ア櫛形山を守るのはダレ?
ライチョウを守るのはダレ?
シカ、イノシシ、サルなど野生動物が増え続けています!
決め手は生態系の修復:絶滅させたオオカミの再導入!
オオカミを呼び戻すこと(再導入)を提案します‼
山梨県は山と森の国。最近、この広大な山地では、シカ、イノシシ、サルなどが増えすぎ、天然林、人工林を問わず、多様な森林やお花畑などの草原を破壊し続けています。植生を剥ぎとられて荒れた山肌からは栄養豊かな土壌が流失し、山腹の崩壊さえ始まっています。流出土砂は湖沼や河川を濁したり埋めたりして、災害の原因となっています。生態系の植生などの生物部分の回復は可能としても、非生物部分(地形、地質)の崩壊は元に戻すことはできません。シカを減らすことは急がれます。
さらに、これらの増えすぎた動物たちは、人里に向かって生息域を拡大し、果樹園、菜園などの農地や住宅地にまで侵入し、被害を及ぼしています。人身事故、自動車事故も珍しくなくなりました。私たちが取り組んでいる自然を含む共生社会の実現には、この日常化した獣害問題を避けては通れません。
今行われている、増え過ぎ獣のコントロール対策は、専ら狩猟の強化が頼りです。山梨県も狩猟による駆除に力を入れています。そのためには、迷惑な獣類を自然資源として活用しようとジビエ(食肉)振興に努力しています。しかし、効果は不明です。侵入防止柵も作られ続けていますが、頭数は減らせません。県内のシカは増え続けています。もっと増えることでしょう。その理由ははっきりしています。ハンターが減り続けているからです。高齢化も進んでいます。ハンターの出身母体である山村社会の衰退が止まないからです。山梨県の人口も減り続けていますが、その割合は今のところ僅かです。だからと言って安心してはいられません。耕作放棄、集落放棄は直接自然と向き合う居住域の最前線(フロント)で進行し、このフロントは、県中心部に向かって後退し続けているのです。ハンターがいなくなっては困ります。その確保は大切です。ですが、その見込みは小さいのです。
希望がないわけではありません。それは、自然の力=自然の調節作用に目を向けること、一世紀前絶滅に追い込んだオオカミの復活です。オオカミの再導入は難しいことではありません。人々がオオカミに対する誤解を解けばよいのです。
ニホンオオカミは固有種ではなかったのです。北半球の陸上に広く分布するハイイロオオカミと同じ種だったのです。中国やロシアからの再導入によって復活したトキやコウノトリと同じです。オオカミも外来種ではありません。昔から生息していたオオカミが復活するのですから、日本の生態系や生物多様性に害になるはずがありません。それに、誤解を作り出してきた「赤頭巾ちゃん」などの童話は事実とは違う作り話なのです。賢くて臆病なオオカミは、人を恐れ、人前に姿を見せることはありません。オオカミを毛嫌いするのではなく、事実にもとづいて正しく理解しましょう。オオカミを恐れることはありません。
【日米オオカミふぉーらむ山梨2018:オオカミと生態系についてもっと深く知ろう!】
今回、一般社団法人日本オオカミ協会「カムバックウルフ山梨」は、山梨県民の皆様に、オオカミと生態系、生物多様性に関する理解を深めていただくために、イエローストーンから自然教育の専門家、スティーブ・ブラウン氏を招いて、世界初の国立公園イエローストーンでのオオカミの迫害、絶滅、エルクジカの増え過ぎと自然荒廃、戦後のアメリカ人の自然観の成長、オオカミの復活、自然回復といった一連のイエローストーンのオオカミをめぐる自然史を紹介していただくことにしました。山梨県の現況と重ね合わせると、これから私たちが採るべき方策が見えてくるのではないでしょうか。
[基調講演]
1.山野井英俊(富士川町会場)「甲斐のシカなど獣害の現状と対策」
2.小野俊彦(市川三郷会場)「世界遺産富士山の森林生態系のシカによる荒廃と対策の限界」
3.スティーブ・ブラウン「イエローストーンの自然史:オオカミとシカをめぐる失敗譚と成功譚」(日本語)
[スティーブ・ ブラウン氏 プロフィール]
イエローストーン国立公園公認ガイド【自然生態系講師歴 20 年以上】マイアミ大学の生物学・生態学・哲学科を卒業 交換留学生として日本へ。その後、オハイオ州立大学院で日本語、日本文学修士課程を修め、モンタナ州立大学では動物学科等の修士課程を卒業。モンタナ州立大学で約 7 年間イエローストーン生態学や日本史を教える。イエローストーンを中心にアラスカからカリフォルニアまで多数の国立公園で自然教育プログラムを手がけ、会社設立以降 21 年間 4 万人以上の日本人観光客、学生を教育してきた実績を持つ。日本だけでなく世界中の人々に野生動物生態や大自然保護管理について教えている。一般社団法人 日本オオカミ協会学術会員(Fellow)
[コーディネーター] 丸山直樹(一般社団法人日本オオカミ協会会長)
3月3日(土)
[パネル展示] 13:00~13:30
[ふぉーらむ] 13:30~16:30
[会場] 富士川町町民会館:山梨県南巨摩郡富士川町鰍沢655番地57
〈アクセス〉
自動車:中部横断道増穂ICより南に5分
電車:JR身延線鰍沢口下車徒歩30分
バス(山梨交通):甲府駅南口1番乗り場「十五所経由鰍沢営業所行
11:30発⇒「小室山入り口」12:23下車徒歩5分
3月4日(日)
[パネル展示] 13:00~13:30
[ふぉーらむ] 13:30~16:30
[会場] 市川三郷町役場三珠総合福祉センター:山梨県西八代郡市川三郷町上野2714-2
〈アクセス〉
自動車:中部横断道増穂ICより東に約10分
電車:JR身延線芦川駅下車徒歩5分
〔問い合わせ〕
山野井英俊:090-8639-2416
赤池幸久:090-3342-5694