ジャーナリストは小さな記事であっても真実を報道すべく真剣に取り組め!

川に湧き出る温泉、クマやオオカミから身を守るため…女性たちが「足踏み洗濯」

読売新聞 2021/03/08 12:32

読売新聞オンライン記事よりhttps://www.yomiuri.co.jp/national/20210308-OYT1T50088/


これを読んで「本当?また作り話か!」と思いました。

早速、鏡野町観光協会に問い合わせたら、踊り保存会に問い合わせて欲しいとのこと。そこで保存会に電話をかけたら、いつのころからかわからないがそのような言い伝えになっているとのこと。文書が残っているかどうかわからないとのこと。これくらいしか分からないという返事。
そこで、同町の教育委員会文化係に訊ねました。同係の話では、「文書などは存在しないし、事実かどうかもわからない。戦後になって(戦後のいつかはわからない)宣伝のフレーズに使われ始め、以来、深く考えることもなく踏襲されている。俗界を離れた秘境のイメージをアピールするために『オオカミ』『クマ』を持ち出したのではないだろうか」という説明。やはりそうか、捏造か、と納得。

この記事を書いた新聞記者も日常のローカルニュースとして掘り下げることもなく、記事を面白くするために記したのだろうと考えられます。まあ、無邪気な話ではありますが、これが繰り返され、年経るたびに、真実か作り話なのか区別がつかなくなることが多いのです。そして、洗濯娘がオオカミやクマに襲われたとまことしやかに信じられるようになるのが怖いのです。これが書籍に収録され、印刷されると末代まで継承され、真実を歪める誤解のもとになってしまいます。私たちがオオカミ復活運動でまず初めに取り組んでいるのは、このような事実無根の捏造話が世にはびこることを防ぐことなのです。記者の皆さんも真実を報道することを心掛けるべきでしょう。お気軽な記事の作成は禁物です。

そういえば、米国のオオカミ保護に従事しているナチュラリストにはオオカミの記事を見つけると、そのソースを追跡して、事実かどうかを調べる人がいるそうです。

(記:丸山直樹)

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読売新聞オンライン

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